母が大腿骨骨折の退院から1ヶ月以上、
リハビリをせずに寝た切りになってしまっていた。
もちろん家族は回復に前向きじゃない母に怒りを。
先日、体調が良くないので掛かり付けの病院に。
軽い脱水を起こしかけていた。
そしてその後、母が点滴をしている間に家族が呼ばれた。
『発熱も癌からきたものと思われますし、骨に転移してるせいで、
痛みがあるからか動けず床擦れも出来てますね。
肺、肝臓にも転移してますがそこはまだたいした事はないです。』
え?転移?何の事?
主治医の先生も『え?ご存知無かったんですか?』と驚いた。
検診に行くのはいつも母、1人で。
もちろん『検査結果はどうだった?』と聞く。
すると母は『大丈夫!癌マーカーは上がってないよ。』って言ってた。
みんながその言葉を信じてた。
今年の5月にはもう自分の命は長くないのだとわかっていたようだ。
だけど1人で覚悟を決め、誰にも話さずにいたんだ。
今は最期の住み処になるホスピス探しをしている。
祖母が胸の苦しみを訴え、救急車で病院に運ばれた。
軽い心不全を起こしかけていた。
主治医の先生から説明があり、
肺に水が貯まっている事、心臓の大動脈弁の動きが良くない事を聞く。
肺の水は抜く事が出来るが、心臓の手術は高齢の為出来ない。
命の長さは心臓の頑張り次第になる。
病院のベッドに寝かされた祖母は、
『ここが私の最期の場所になるのかなぁ…。』と。
人の世話になりたくない!とボケないように新聞を読み、
ストレッチを欠かさず、オムツにも頼らず、
介助なしでトイレも食事も入浴も頑張ってきた92歳。
プライドの高さの頑張りは見事だ。
人の命の長さはわからない。
家族として、その時が来るまで寄り添うだけ。
願う事は、
苦しまずに心穏やかに。
ただそれだけだ。