オッ家内が大昔のお雛さんを思い出してどこからか取り出してきた。
「松江姉様」。
結婚して初めての転勤が松江支社だった。
まだペーペーの役なし平社員だったので安月給、それでも遊びまくり
オッ家内には随分苦労を掛けた。
その頃求めたお雛さんだ。
【その昔、松江藩の御殿女中が手すさびに作り始めた松江姉様は、
江戸から伝わった姉様の一つといわれます。
衣裳はただ赤と緑の二色ですが、単純化された中にも、
きらびやかさ、あでやかさでは群を抜いています。
廃藩後、零落士族の婦女子が内職として作り、ランプの時代までは市にひさがれ、
祭りの露店に売られた紙雛です。
そして幾百千人の子供達に、つつましくも華やかな夢を与えてきました。
しかし、十六・七世紀的な風物を愛した小泉八雲(Lafcadio,Hearn)が、
この姉様を激賞し、大英博物館へ送ったように全ては過去の夢かもしれません。
子供の夢は変わったでしょうが、今ではむしろ大人の玩具として、
また郷愁をさそう数少ない民芸品の一つとして、欧米にも輸出し珍重されています。
島根県松江市中原町322
製作者 松崎 せい】