あなたを待っています

　バス停に行くと、揃いのジャージを着た中学生たちが並んでいました。
　マジか！　30人くらいいます。
　バスが到着すると、引率の先生が順番を譲ってくれました。
　この路線、昼間にたくさんの老人が乗ってきます。
　すでに満杯の車内は、3つ先のバス停で、とうとう1人も乗れなくなりました。
　バスの真ん中にある出口のドアが開きました。
　出口付近は、まだかすかなスペースがあります。
　運転手が、バス停で待つ人に、後ろから乗るよう促しました。
　杖を持ったおじいさんが、小走りに後ろに向かってきます。
　あ、走らないで。
　車内の人たちが、みなそう思ったように感じました。