価値があるものとそうでないもの

　時計が止まっていました。
　普段はあまり使わない部屋に置いてある目覚まし時計。
　部屋を使わないのだから、時計を見ることも少ない。
　いつ止まったのだろう。
　電池は単2です。
　単2も使わない。
　予備はないだろうな。
　調べると、あった。
　この時計の電池が2個組だったのでしょう。
　同じメーカーの電池が1個残っていました。
　使用推奨期限が6年も前です。
　使えないだろうな。
　電池を交換すると、動いた。
　新品の電池を入れたかのように、秒針は元気に動いています。
　古いとはいえ未使用だからです。
　未使用で古い。
　プラモデルだったら高値がついたかもしれません。

厄介者がやってくる

　黄砂が舞うという予報ですが、外を眺めてもわかりません。
　ベランダの手すりを指で払うと、微かに埃が付きました。
　きっとこれが黄砂だ。
　ちょっと暑くて、窓を開けると涼しくて、一日このままにしておきたいのに、このままでは部屋に砂が入ってしまいます。
　一年のうち、こんなに気持ちのいい日は少ない。
　しばらくしたら梅雨に入ってしまいます。
　こんな時に厄介なものがやってくるとは。
　今年は、春先の心躍る時期を無為に過ごしてしまいました。
　素晴らしい季節に、砂のため散歩もできないのは悔しい。
　マスクしているから大丈夫か。

健康状態を見つめる

　先日、奥歯の詰め物が取れてしまい、休日診療所で治してもらいました。
　ところが、かぶせてある金属が古いので、また取れるよと言われ、休みが終わるとすぐ近所の
歯科医院を予約しました。
　そこで細かく調べてもらうと、虫歯になっているところや、なりかけているところ、ほかにも詰め物が取れそうなところがあると知りました。
　こんな時期に歯科医院へ行くことに戸惑いがあったのですが、来るべき時だったのです。
　歯茎が腫れていた1か月前に来たかった。
　体はサインを出しているのに、外出がままならず、すまなかったなあ。

新しい季節はやってくる

　静岡の友人が新茶を送ってくれました。
　早速茶筒に入れます。
　新茶専用の、ちょっといい筒があります。
　蓋を開けてびっくり。
　去年のお茶が残っている。
　美味しいお茶は何かあった時に飲んで、毎日のお茶は安い煎茶。
　そのうち美味しいお茶のことを忘れてしまうのです。
　古いお茶を淹れると、色が悪い。
　でもまだ美味しい。
　いやいや、香りがしないじゃないか。

何度でも何度でも

　「ステイホーム」という呼びかけには、親が子に、先生が生徒に、あるいは友人同士で声をかけ合うような優しい響きを感じます。
　もっときつい言い方をした方が効果的だとは思いますが、「危険、外に出るな」と言われると恐怖が蔓延しそう。
　何を言われても、何も感じない人もいれば、言葉に鋭敏な人もいる。
　繰り返し言われれば、その言葉に縛られていく。
　あるいは馴れてしまって、何の意味も持たなくなる。
　「ステイホーム」は、優しいながらも、少しずつ体の動きを弱めていくような気がします。