今年2020年は、一言で「波乱の一年」だったと。
振り返ると、新コロナウィルスで緊急事態宣言が出された頃から、世の中パニックになりながら、何が自分に良いのか、正しい生き方なのか、凄く色々考えた一年であったとも言えるし、猛暑の時節もマスク生活、消毒、距離、県またぎ…そんなことに緊張感のある暮らしを続けながら、かつてあった普通の生活が、なんて幸せなことであったのか、と気づきもしました。
私個人といえば、もともと繁盛店でもないので、粛々と丸竈の営業を続けていました。
石臼で玄麦を挽いて、自家製麺にして、提供する。
なると以外は、全部自分のこだわりを毎日毎日続けながら、さらなるおいしさを探求しています。
そういうお店なので、一人でも「美味しい」とおっしゃっていただけるのなら、こんな大変な時だからこそ、営業しなければお客様に申し訳ない、そう思ってました。
「丸竈」という店名は、東日本大震災で私や家族が経験して感じたところから始まっています。
震災直後、電気、ガスが使えなくなり、火を使った食事ができなくなりましたが、竈があれば、炊出しの温かい食事を求めて、竈の周りにたくさん人が集まって、幸せになる、そういうイメージなんです。
それに、妻が塩竈神社を深く信仰しており、時間がかかりましたが私も、「竈」の大事さが解るようになって。
共働きでないと成り立たない店なのですが、妻の仕事がなくなったことで、一時期手伝ってもらったことで、これでいいんだな、と思いました。
いろんなことがこの一年ありましたが、今年もなんとか丸竈を続けることができました。
お客様には、心から御礼申し上げますとともに、新コロナに打ち勝ち、一日でも早く幸せを実感できる日が来ますように。
そういう気持ちで、毎日毎日、自分の仕事ができることに感謝して頑張っています。
これからもよろしくお願い申し上げます。