サラ☆の物語な毎日とハル文庫

「きみと死のうと思ったんだ」という、娘へのラブレター

 

おはようございます。ハル文庫の高橋です。
昨日はしばらく雪が降っていましたが、
今朝は晴れ渡っていて、雲一つない気持ちのよい冬の日!

早速ですが、朝日新聞のデジタル版で見つけた
“「きみと死のうと思ったんだ」 娘へのラブレター、あの日の告白に涙“
というタイトルの記事……
いや記事そのものというより、その記事の中に出ていた
結婚する娘に送る、あるお父さんの手紙が心に響いたので
ご紹介したいと思います。
よかったら、読んでみてください。
「生きていかなきゃね」と心から思えます。

 

 

《娘・ミサトへ

あなたの母親であり、私の妻であった、我々の最愛の女性は、

ある、小さな記事として新聞にも掲載された交通事故により、

きみがまだ6歳のときに亡くなりました。

突然すぎて、悲しみ抜いて、途方に暮れて、精神的に参ってしまった私は、

死のうとしたんです。

バカなことに、きみを連れてお母さんを追いかけようとした。

 

その日、最後の思い出にと、家族でよく出かけた遊園地に2人で行きました。

とにかくきみは楽しそうで、これが最後の遊園地になることも知らずに、

いや、今日が最後の日であることも知らずに、

元気いっぱい走っては、乗り物をハシゴしてた。

やがて、急流すべりを乗り終わって、こちらに駆けてきたきみは、

満足げな表情で見上げつつ、

私と手をつないで、ニコニコしながらこう言いました。

『もういいよ、お父さん。もう、お母さんのところに行こ』

 

きみは気づいていたんやね。

きみを抱いたまま、ムリヤリ、父親の私がこの世を去ろうとしていたことを、

なぜか知っていたんやね。

私はハっと目が覚めました。

私はこんなことを言った。

 

「あほ! お母さんに怒られるぞ、ミサト! 

いつか、お母さんがゴハン作って待ってるのに、

迎えにきてくれたオマエと駅前の焼き鳥屋に寄り道した時みたいに、

お母さんスネるぞ! すねたらひつこいぞ~!」

こう言うときみは……、

お葬式の日以来、お母さんのことでは全く泣かなかったミサトは、

セキを切ったように大きな声で泣き出したね。

 

二十四年前のあの日のことを、きみは覚えていないと言います。

でも、きみに子どもが、そう、私とお母さんにとっての孫ができて成長したら、

あの遊園地にみんなでいこう。

お母さんの分も入場券をちゃんと買って、みんなでメリーゴーランドに乗ろう。

そして、みんなで、思いっきり笑おな。

ミサト、本当におめでとう》

 

朝から、泣いてしまいました。
この手紙は、吉本興業の芸人養成所「NSC」の講師をつとめている
放送作家の橋本昌人さんがラジオのリスナーに募った
誰宛てでもいいラブレターの中の1本だそうです。
橋本さんが著者のこの本にも掲載されているようです。

↑ 『涙のラブレター』橋本昌人著/ワニブックス

涙活(るいかつ)といって、過去のブログ記事でもご紹介していますが
「泣くことで心の元気を取り戻す」ストレス解消法があります。
涙は心の余計なものを洗い流してくれる、大事なもの。

記事にあった橋本さんのラブレター朗読も、涙活のため。
笑いと同じくらい、涙はありがたいもの、と改めて思いました。

では皆さま、素敵な午後をお過ごしください!

コメント一覧

marupippo
>Unknown さんへ
>全文ありがとうございます。... への返信

「あなたが生きている今日は、
 誰かが死ぬほど生きたかった明日かもしれない」
良い言葉ですね。「生きる」ことについて、深く考えさせられます。
marupippo
優しいじっちゃん様 コメント、ありがとうございます。この手紙、ホントに多くの方に読まれているみたいですね。
手紙の中のお父さんと娘さんの気持ち、ストレートに伝わってきて、涙無くしては読めないです。
そして、その向こうに「生きていこう」という強い意志が示されます。
「生きる意味」を確認できる手紙だと思います。
優しいじっちゃん
読んでいたら、しばらく息が出来なくて、胸が苦しくなった。
小さい時の我が子の姿が思い出されて、その我が娘が『もういいよ、お父さん。もう、お母さんのところに行こ』と言ったのを想像したら、涙が止まらん。
Unknown
全文ありがとうございます。
「あなたが生きている今日は、
 誰かが死ぬほど生きたかった明日かもしれない」
という言葉を思い浮かべました。
marupippo
>アツコ さんへ
>このラブレターを全文読みたくて探してたどり着きました。... への返信

コメントを残していただき、ありがとうございます。
本当に「生きなくては!」と思わせてくれる、魂が震えるラブレターです
アツコ
このラブレターを全文読みたくて探してたどり着きました。
お父さん、娘さん、お幸せになってください涙!
marupippo
>ケロかあさん さんへ
>「涙活」... への返信

そうなんですね。ダイアナ妃の死と英国民の涙と自殺者減……なんだか不思議な話です。
記事を読んでくださり、ありがとうございます。
私も文中のお父さんの手紙を読んで、声を出して泣いてしまいました。
ケロかあさん
「涙活」
心が動いて涙を流すと、その人の心がリフレッシュされると聞いて、思い出しました
1997年、イギリスのダイアナ妃が事故死されて、全英が涙した、その年は、イギリス国民の自殺者数が大幅に減ったそうです
人の心って、本当に不思議ですね
心温まるよいお話しを、ありがとうございます😊
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