echo garden

基本的に読書感想文です。

星の王子様 8

2006-01-20 00:19:15 | Weblog
 その夜。
 二人で砂の上に座っていた。
 そこはちょうど一年前、王子様が地球に降り立った場所だった。
 「ねえ、分ってよあの花は弱い。僕には責任があるんだ。」
 王子様は震えてるようだった。そして少しためらってから立ち上がった。
 一歩踏み出した。僕は見てるしかなかった。
 彼の足元で黄色い影が走った。
 王子様は声もなく倒れた。

 あれから6年たった。
 王子様は無事自分の星に帰れたとおもう。
 なぜなら翌朝見たときにはもう彼の体はそこになかったから。それほど重い体ではなかったのだ。
 けれど一つだけ気がかりなことがある。
 彼にあげたひつじ用の口輪の絵に、固定するためのひもを描きわすれたのだ。
 あの花はだいじょうぶだろうか?
 この夜空の星ぼしのどこかにいるはずの花をひつじが食べてしまったかどうか?
 それはとても重要なことだ。

 あらすじ終わり。

 やっと終わった。なんでこんなに長くなってしまうんだろう?
 星の王子様でこれなら「戦争と平和」とかならどうなってしまうんだろう。ヤバイ気がします。
 
 では感想を書きます。
 Yさんがコメントで「あれ、こんな話だっけ」と(幸い肯定的な意味で)書かれているように、一度読まれたことがある方なら、僕のあらすじに違和感を覚えると思います。
 なぜなら「子供は…」「大人は…」と言うこの物語を最も特徴づける言い回しを全て避けるか、言い換えてるからです。
 例えば、王子様が王様の所を立ち去るときに、僕は
 「変な人だな、とおもった」と書きましたが、元は
 「大人って変だな」です。
 たった一人会っただけで結論早すぎ!じゃないですか?
 この物語はさっと読むと「子供は純粋で素直」「大人は不純で歪んでる」と言うメッセージだけが印象に残ります。
 自分に照らせば、そりゃ今は不純だけど、子供のころも充分歪んでた。
 だから、そうゆうのは安直だ、と思う人はこの本をパスしていくでしょう。
 しかし、この作品はシンボリックな登場人物がシンボリックなエピソードを綴っていく、物語よりは詩に近いものです。
 だから、<子供><大人>も具体的なそれらではなく、それらの本質にあるものを指していると思います。
 しかし、サンテグジュペリが生きていた当時ほともかく、現在ではこれらの表現は通用しないんじゃないでしょうか。
 なぜなら、今は子供は大人みたいだし、大人は子供みたいだからです。それがいいのか悪いのかわかりませんが。
 
 
 
  
   
 
 
 

 
  


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2 コメント

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星の王子様 (Y)
2006-01-20 11:40:59
>>物語よりは詩に近い。

そうそう!!!

哲学的(?)で。

だから、小さい頃読んだとき、意味不明でした



やまびこさんのとても詳しいあらすじを読んだので、もう本はいいかな~なんて
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Unknown (やまびこ)
2006-01-21 00:22:09
 そうなんです、哲学的なのです。これが児童書だなんて誰が決めたんだろう。アール18指定したほうがいいくらいです。でも挿絵が(サンテグジュペリ画)いい味出してるんですよ、その絵のために買う価値あるかも。
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