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映画「ドラキュラ‘72」をDVDにて鑑賞。

2006-11-28 23:15:40 | Weblog
ドラキュラ'72 - goo 映画
イギリスのハマー・フィルムが1971年に製作した『ドラキュラ‘72』をDVDで見た。

 映画の内容は、ドラキュラ伯爵が死んで100年、伯爵の従者の孫が復活の儀式を行い、ドラキュラが現代に蘇ってしまう。だが、かつて彼と刺し交えたヘルシング教授の孫も、彼の復活を知って抹殺に乗り出してくる……。

 映画は、いきなりドラキュラ伯爵クリストファー・リー)とヴァン・ヘルシング教授ピーター・カッシング)との馬車上での一騎打ちから始まるのだが、時代が100年前の1872年らしい。

 二人は馬車の転倒で遭えなく死んでしまうのだが、ドラキュラは馬車の車輪が突き刺さって死ぬのだが、刺さった時は左の心臓の下辺りだったのに、体が骸骨に変わるときには右の胸辺りに刺さっている、というボンミスから映画への不安が頭をかすめる。

 ヘルシングは墓地に埋葬され、何故かドラキュラの遺灰も弟子によって同じ敷地内に半分だけ埋葬され、残った半分は弟子の手で保管される事になる。

 時代は一気に100年後の1972年に変わり、現代の風景をバックにタイトルが始まるのだが音楽が当時流行りのCTIレーベルのフュージョンサウンドみたいな曲が流れ出し面食らう。

 シーンは屋敷での、パーティーシーンでロックバンドの演奏とヒッピーのような若者が踊り狂うというシーンの中に主人公たちが登場するのだが、当時の風俗を大胆に取り入れたのは判るが、今の眼で見ると明らかに浮き上がって見える。

 この若者の中に、ヘルシングの子孫の娘ジェシカとドラキュラの弟子の子孫ジョニーがいる訳だが、何とも都合のいい展開。

 その後、ジョニーの提案で悪霊を呼び起こす儀式で、ドラキュラが現代に復活する、演ずるのはクリストファー・リー、最近でも「スターウォーズ」でのドゥークー伯爵、「LOTR」でのサルマン、『チャーリーとチョコレート工場」のウォンカの父親など、SFXオタク系の監督たちに絶大な支持されている俳優。

 ドラキュラの復活を知った、ヘルシングの孫ドラキュラを抹殺する為に立ち上がるのだが、演じるのはピーター・カッシング、私の世代だと、なんと言っても「スターウォーズ」のモフ・ターキン、なのでカッシングが普通の人を演じているのを見るのは初めてなのかもしれない、細面で繊細な眼差しが美しい。

 その後の展開は、ドラキュラは弟子の子孫を使って美女の生血を吸うのだが、今回のドラキュラは100年ぶりに復活したせいか美女の生血を死ぬまで吸ってしまう。

 今回の要は、今までドラキュラは大抵、金髪の白人女性をメインに生血を吸っていたのだが、今回は時代柄、黒人の女性まで食してしまう、最初はためらうドラキュラだが目の前の獲物に我慢出来ずに食してしまうシーンは面白い。

 最後は、ドラキュラとヘルシングの孫の一騎打ち、勝敗は・・・。

 映画の感想、まずこの映画を見て思い出したのは1971年の「ゴジラ対へドラ」。

 映画のシリーズ物というと長く沢山の作品が作られると変わった作品も作られる、この両作品は製作年度も一緒で、当時の流行、風俗、文化を積極的に作品に取り入れていて、ロック、ヒッピーなど大胆に映像の中に収められている、これが映画に正しく機能しているかは見る人の判断に委ねるけど、私は「ゴジラ対へドラ」は成功していると思うが、『ドラキュラ‘72』は、かなり奇想天外でいっその事、タイムスリップ物にしたら面白いと思った。


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ドラキュラ '72(期間限定) BKP-11074
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ヴァン・ヘルシング(期間限定) UNPD-39152
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映画「殺しのドレス」をWOWOWにて鑑賞。

2006-11-28 16:15:29 | Weblog
殺しのドレス - goo 映画
 昨日、WOWOWにてブライアン・デ・パルマ監督の1980年の「殺しのドレス」を見た。

 この作品を見るのは、昔TBSの月曜ロードショーで放送した物を見て以来で、全長版を見るのは今回が初めて。

 映画の内容は、ニューヨークを舞台にあるセクシーな中年の人妻が殺された事件をめぐって展開する心理劇的サスペンス映画。

 オープニングから、美しいピノ・ドナジオのスコアをバックに、アンジー・ディッキンソンのシャワーシーンから始まるのだが、あれっ、磨りガラスごしのヌードとアップになるヌードが明らかに違う、まぁ、これはその後デ・パルマが作る「ボディ・ダブル」で種明かしをしているので、ご愛嬌、しかし、いきなり大胆な出足。

 美術館のシーンはいいね、迷路のように入り組んだ館内をカメラが縦横無尽に動き回り、セリフが無いのに主人公の感情の移り変わりが見ている者に伝わる、デ・パルマの腕の見せ所のシーン、それにしても、このシーンからエレベーターの殺人シーンまでセリフは一言だけ、優に10分弱くらいあるのに、映像だけで雄弁に語っている。

 ここから、ネタバレになりますので自己責任でお願いします。

 主人公と思っていた、デッキンソンが映画の途中で殺されてしまうパターンは正にヒッチコックの『サイコ』、そう、この作品は『サイコ』を模倣した作品なのだが、ドナジオのスコアといい、犯人目線など、ヒッチコックを目指しているのだけれど、ダリオ・アルジェントがMIXされて、どこかイタリアっぽいテイストを感じる。

 主人公は、殺人を目撃したナンシー・アレンにバトンタッチされ、警察に泳がされて犯人探しが始まるのだが、ナンシー・アレンが若いねぇ、顔がパンパン、でもこの時が一番いいね、「1941」とか出演していた時期で絶頂期って感じだね。

 殺人現場を目撃したアレンは犯人に必要に追われるのだが、地下鉄のシーンが面白い、ホームでの黒人グループに絡まれ電車に逃げ込むが警官にも怪しまれ、犯人にも狙われるは、黒人グループも追ってくるというダブルのサスペンスを旨く映像を整理して盛り上げる。

 アレンは、ディッキンソンの息子と協力して犯人を追い詰めるのだが、警察も二人を泳がせすぎで間一髪の所まで助けてくれない、いくら売春婦と遺児でも、これは酷い。

 犯人が性倒錯者というのも「サイコ」と一緒だが、「サイコ」と違い犯人の掘り下げが無いので説得力に欠けるのが難点だが、途中、何度も鏡を使って犯人の二重の性格を示しだすシーンがあり、観客にもヒントを与えてくれる。

 最後のサスペンスシーンも「キャリー」のオチと一緒だが、結構ハラハラドキドキさせるデ・パルマらしいラスト。

 「サイコ」のような大傑作ではないが、個人的には大好きな作品、昨日見て感じたのは、デ・パルマって監督は、その後の作品を見ても判るとおり、階段を使ったシーン作りが好きなんだなって事を感じた、それからマイケル・ケインをチョイスしたのも作品の成功の一因になる、それと出てくる女性が、みんな金髪というトリックに騙されていたことに気づいた。


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