拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

悪魔奴、鬼奴(アリア名)

2020-05-30 16:01:33 | 音楽

ミラノ風カツレツにはトマトを和えるのが定番?テレビでイタリアンの片岡シェフがトマトを和えていたので真似してみた。そのほか、肉に包丁の背で格子状の筋を入れることも真似てみた。今でこそ、トマト(pomodoro)はイタリアンに欠かせないイメージだが、そもそもヨーロッパにトマトが入ってきたのはそんなに昔のことではない。同様に、うどんに油揚げが乗ってきつねうどんができあがったのも明治になってからだという。当初「こんこんさん」と言われていたのが、いつのまにか「きつねうどん」と言われるようになったのだという(チコちゃん情報)。さて。椿姫の原作でアルマンが嫉妬に狂う話を書いた次の日、朝ドラ(エール)で、裕一が嫉妬に狂っていた。今週は、私にとって「男が嫉妬に狂う週」であった。しばらく、椿姫の原作(ドイツ語版)とファウストを併読することとなろう。その今読んでるファウストは森鴎外が訳したもの。難しい。翻訳の翻訳がいる。「耳語」(じご)なんて言葉初めて知った。ひそひそ話のことだそうだ。それから「赤さん」。これは赤ちゃんのことだと推測がつくが、それでも奇っ怪である。「さん」が付くほど明治時代は赤ちゃんは偉かったのか?じゃ、いつから偉くなくなったんだ(「ちゃん」になったんだ)?「こんこんさん」が「きつねうどん」になったのと同じくらい疑問である。そもそも「ちゃん」は可愛いものにつく接尾語。ドイツ語の「chen」に相当する(「ちゃん」に相当するからと言って「チェン」と言ってはいけない。「ヒェン」である)。「ファウスト」に出てくるグレートヒェンの本名は「マルガレーテ」。その後半部分がちょこっと変化して「ヒェン」が付いて「グーレトヒェン」になるわけだ。「ひさこ」が「ちゃこちゃん」になるのと似ている。他に「ヒェン」と言えば「エンヒェン」(ヴェーバーの「魔弾の射手」の登場人物)。本名は「アンナ」あたりだろう。森鴎外はあんなに堅苦しい文章を書くくせにちゃんと留学先でドイツ人の彼女を作った。そちらの方は堅くなかったようだ。それに対して同時代の夏目漱石の文章はすらすら読めるが、漱石は留学先のイギリスになじめずノイローゼになったという。そんな具合だから彼女ができたという話も聞かない……人のことより自分のことを心配しろ、と天の声が聞こえた……空耳?タモリ倶楽部の空耳アワーのテーマ曲は「ソラミミ」(移動ド)であり、「ドレララ」(固定ド)である。森鴎外のファウストに戻る。ひんぱんに「名詞」+「奴」が出てくる。「ファウスト奴」「畜生奴」「悪魔奴」って具合。これはなんだ?「ふぁうすとやっこ」「ちくしょうやっこ」「おにやっこ」?鬼奴という女性の芸人はいるが。どうやらこれは「め」らしい。すると、リゴレットのアリアは「悪魔奴、鬼奴」ということになる!?