拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ベラルーシとジャルスキー

2022-02-18 09:35:17 | 言葉

安達祐実が演じるすみれの「きやぁあああああ」はよかった(「きゃあ」ではなく「きやあ」だったのがよかった)。下手な演技のふりが上手だった。そう言えば、安子(上白石萌音)もホントは英語が達者なのに下手なふりが上手だった。昨日、すみれとサカキバラがホテルで一夜を明かすのではないか、と下司の勘ぐりをしたせいで、誰かと同衾する夢を見た。だが、やり方が分からないうちに朝になってしまった。そもそも相手が誰かが不明である。昨夜、私の夢の中で私と同衾(未遂)した方、名乗り出てくださいまし!さて。西側諸国から厳しい目で見られがちなロシアであるが、その昔、日本の南極観測船宗谷が氷に閉じ込められたとき、救助にかけつけたのはソ連船である。宗谷を外洋まで導くと颯爽と去っていったそうだ。ということで、今回はロシアがらみのお名前ネタ二題。その1。問題のウクライナの北でロシアに接するのはベラルーシ(こちらはロシアと仲良し)。かつて日本で「白ロシア」と言われていた。なぜだろう。で、私が考えたことはこう。「ベラ」はイタリア語で「美しい」。「美しい」=「白」(無罪のことをシロと言ったり、勝つことを白星と言ったりすることからの連想)。そして「ルーシ」はいかにもロシアっぽい。しかし、この推論はおおはずれ、零点である。だいたい、スラブの国名の解釈にイタリア語をもってくること自体、禁じ手であった。「ルーシ」はロシアとは無関係で、あのあたりの地名。その「ルーシ」のうち西部が「ベラルーシ」と呼ばれていて、今日国名として残ったそうだ。ロシアがらみのお名前ネタその2は、カウンターテナーのフィリップ・ジャルスキーの名字について。ジャルスキーの先祖はロシア人で、おじいさんがフランスに移住する際、出身を聞かれて「はい、ロシア人です」(ヤー、ルスキー)と答えたのがジャルスキーという名字を名乗るきっかけだったという。「ルスキー」は「ロシア人」でこれは問題ない。問題は、「はい」がなぜ「ヤー」で、それがなぜ「ジャ」になったかである。フランス語では「ウイ」、ロシア語では「ダー」。だから、ジャルスキーは、「ウイルスキー」又は「ダールスキー」になっても不思議ではなかったのに、なぜか「ジャルスキー」。ここからは私の推論である。おじいさまはドイツ系又はドイツ語の学徒であった。ドイツ語では「はい」は「ヤー」(Ja)。おじいさまは、入国審査のとき係官からの質問に「ヤー、ルスキー」と答えたのはそのせい(なぜフランス入国時にドイツ語を話したかって?おじいさまの頭の中は、ロシア語以外はドイツ語しかなかったのかもしれない。ワタクシも、ドイツ語を一生懸命勉強してたときは、欧米人を見かけると片っ端からドイツ語で話しかけていた)。この「ヤー」(Ja)がフランス風に「ジャ」と発音され、今に至る。以上が私の推論である。「ベラルーシ」の解釈よりはいい線を言ってる気がする。いずれにせよ、ジャルスキーの先祖は、故郷のロシアでは全然違う名字を名乗っていたことはたしかである。これも不思議なことはない。「ゴッドファーザー」が「コルレオーネ」なのも、アメリカ入国の際、イタリアの故郷の名を申告してそれがそのまま名字になったのだった。