ジキル＆ハイド、ふたたび！

先の週末、マンハッタンはミッドタウンにあるタウン・ホールで、ブロードウェイ1997年のシーズンに活躍したパフォーマーたちが再会し、かつての、華やかさを、舞台で再現しました。

この年、『ジキル＆ハイド』に主演し、トニー賞にもノミネートされているロバート・クッチオリも出演し、ファンを魅了しました。

さて、先のコネチカットのGoodspeedで上演されたCUTMANにも、クッチオリさんは重要な役で出演しておられたわけですが、まぁ…こちらでは、まことに「扱いが小さい」というか（汗）すみませんデス～

…ということで、今回は、CUTMANの中のロバート・クッチオリの役どころなどについて、ちょっと書きとめておきます。クッチオリさんの役は、コーリー・グラント演じるボクサー、アリの父親です。だいたい、“cutman”というのは、ボクサーが負傷したときに、リングサイドで手当てをする人のとこで、このタイトルそのものは、アリのことではなく、父親、イーライのことをさすことになります。

ストリーは、父と子の絆を中心に進みますから、父親役も、最初から最後まで登場します。初めて、間近で見たクッチオリさんは、お声も顔も美しく、なかなか華のある方でした。舞台が明るくなる感じ。まぁ、わたくしも、年齢的に考えてもですね…クッチオリさんに魅せられてしまったとしても、何の不思議もないというか…むしろ、その方が「無理がない」というか（笑）

しかし、CUTMANの中では、この父親、イーライ役というのは、ある意味主役のアリよりも難しい役だと思いました。これ…『セールスマンの死』のウィリー・ローマンと変わらない「アメリカ的ダメおやじ」な役なのですよね。正直なところ、クッチオリさんは、役作りの途上におられるような気がしました。難しいところです。「ドラマ」としてみれば、普通にウィリー・ローマンを上手く演じそうな役者（いくらでもいるでしょう）を充てればいいのかもしれないけれど、「ミュージカル」としては、この役は歌の決め技も求められる…やはり、この「ブレンド」で、一番いい味が出るようにしていくのがベストなのかもしれません。

ただ『セールスマン～』のみならず、『楡の木陰の欲望』とか『みんなわが子』とか、「アメリカ的ダメおやじ」が出てくるドラマというのは「息子も、輪をかけたろくでなし」なことが多いんですが（笑）このCUTMANというのは…なんだかんだ言っても、息子役のコーリーが書いた話ですよ…息子は、迷走しながらも、最後は、ふたたび、輝かしい「ヒーロー」になることになります！

とは言ってもですね…クッチオリさんは、舞台役者として、生来の華やかさをもっていらっしゃるような感じなんですが、コーリーは、JERSEY BOYSに出ていたときからそうだったんですが…この人、まだ若くて可愛らしいのに（「可愛らしい」余計だろ…すいません）どこか、既に「いぶし銀」な雰囲気（？）なんですよね～（いや、役者としては、ホントに非凡なんでよ！）なんか、ステージ上の、このふたりを観ながら「ちょ、ちょー…息子のほうが、オヤジより渋い、これまずくネ？」と、心の中がざわざわしてしまったシーンもありましたね（笑）

まぁ、そんな感じで、CUTMANN、Goodspeedでのランは大成功で終わったわけですが…さて、この後はどうなるのか…私は再び情報の真空地帯に入ってしまいました！

次はどうなるのか…

私としては、BWにピックアップされる価値のある作品だと思っています。野心的で斬新ではあるけど、決して観客に「おいてけぼり感」を与えない。むしろ、「ミュージカルとして、非常に王道」！そこが最大のポイントだと思いますよ！ぜひぜひ～

で、クッチオリさんの話に戻りますと、氏の公式ブログをでは、10月以降のスケジュールが依然「白紙」なのです。これだけ、年中お忙しくしている人なのに…この「白紙」は、ちょっと期待してしまうんですがね（笑）そんでもって、「他作品に出る！！」というアナウンスメントなんかがあったなら、3日ぐらいは落ち込みそうですよ（汗

あと、今月末発売のアメリカのメジャーなボクシング雑誌に、CUTMANが6ページぶち抜きで紹介されます。これは、クリエイターの3人に焦点を当てた記事になるようですが…CUTMANは、この雑誌においてだけではなく、Goodspeed以降は、「来シーズンのBW入りをプロデューサーたちが希望している新作・オリジナル・ミュージカル」として紹介されています。

まぁ、あとは、私のしつこくもキモい情報追跡と憶測…なんか、またまた深みに入っていく予感が（笑）そう言えば、作詞・作曲のドリュー・ブロディーは、トニー賞を観ながら、twitterで「なんで、ベストスコアの受賞式がCM中なのか？」と何気に文句を言っておりました（！）

そうですよ、来年はあなたの番ですよ!!



で、結局『ジキル＆ハイド』のことは、殆ど書いていませんね～（タイトル通りの流れにならなくてスイマセン）ただ、クッチオリさんの出演するこの作品の映像がNHKで放送されたこともあるとか（？）再び、TVで拝見する機会があれば、要チェックですね！