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And This Is Not Elf Land

The Drummer


タイガースの記事を書いたら、アクセスip数が「最高記録」になってしまいました。(…とは言っても少ないんですけどね…ま、普段が普段なんで…)彼らは根強い人気があって、今なお関心を持ち続けている人が少なくないってことですね。

前回の記事では、沢田研二岸部おさみ(現:一徳)、加橋かつみ森本太郎の4人に言及しましたが…タイガース・ファンなら「もう一人、大事な人がいる!」と思われることでしょう。

瞳みのるです。

実際、テンプターズが一躍人気GSの仲間入りをし、ショーケンこと萩原健一が沢田研二と人気を二分するようになるまでは、GS界でジュリーに次ぐ人気者はピーこと瞳みのるだったのではないでしょうか?(GSブーム初期の話ですが)

私も、最初は、このピーが好きだったのですよ。
告白いたしましょう…
私が生まれて初めてしたためたファンレターは、彼に宛てられたものだったんですよ~!確か、住所は目黒だったなぁ…事務所のある場所だったのかな??

ピーはドラムを担当していました。可愛くて爽やかで…カッコいいとなりのお兄さんのイメージでした。背はあんまり高くなくて(165センチぐらいだったかな?)歌はあまり上手くなかったと思う。カバー曲のレパートリーが数曲あったように記憶してますが、どのような曲を、どのように歌っていたのか…記憶がありません。

明るくて、可愛くて、ユーモアがあって…好感度の高いキャラだったと思います。明治チョコレートのCMの、ロングバージョンのものが放送されるときには、かれがドラムを叩く姿が数秒アップで映りました。確か、週1回だけだったと思う…何曜日だったかな??とにかく、その日を楽しみにしていました。

当時から、特技が「中国語」で、タイガースの中では英会話も一番上手いと言われていました。何故か、これが強く印象に残っているんですよね。だから、現在の彼は「そんなに意外でもない」。

話を戻しましょう。

加橋が抜けて、岸部シローが新メンバーとなり、相変わらずGSのトップを走り続けますが、GSブーム自体が下火になり、タイガースは71年に解散します。私自身、加橋が抜けてから、タイガース・ウォッチャーの第一線から退いたので、解散までの紆余曲折は詳しく分からないのですが、この瞳みのるは、ずっとメンバーと意見が合わずに悩んでいたらしいですね。

雑誌のインタビュー記事で、インタビュー中に泣き崩れている写真が載っていたのを覚えています。また、当時は珍しかった、後ろ髪を束ねたスタイルでTVに出て驚かせたのもこの頃だったと思います。今でこそ何でもないことですけど、当時は男性の髪が「襟足に届く」程度で「長髪、けしからん!」と大騒ぎだったんですから、男が髪を束ねるなんて…トンでもなかったんですよ!

タイガースが解散してから、それぞれが独自の芸能活動を始めるのですが、瞳みのるは芸能界とすっぱり縁を切ったのです。その年の春には予備校に入学したと思います。(その時の写真が週刊誌に載っていたのを覚えている。)

その後、大学に進学して中国語を学び、中国に留学し、高校教師になり、そして、なんと漢文の参考書も数冊執筆しているんですね。これは、もちろん「本名」での執筆です。

私は、数年前、書店で見つけて驚いたんですよ!一時は「お熱」を上げた人だったから「本名」ぐらいは当然知っていた。彼が高校教師になったところまでは雑誌記事で知っていたんですけどね…でも、参考書の執筆なんて…ホントにその分野を極めていないとできないでしょ…す、スゴイ…と、ただただ驚愕でした。

とにかく、彼は芸能界とは無縁の人になったので、「あの人は今」に姿を見せることもなく(?)、本当に当時の少女たちの思い出の中に存在するだけになってしまいました。あれだけのビッグ・アイドルだったのに。

タイガースがまだアマチュア・バンドだった頃、売り込みに一番熱心だったのが瞳みのるだったと言われています。ビートルズやストーンズのカバーを生き生きと演奏していたんでしょうね。

タイガースの加橋が抜けてからは、沢田研二のボーカルがより中心に出て、まるでクー○ファイ○のように、後のメンバーがバック・コーラスのように聴こえてしまって…早い話が「歌謡曲的」になっていったように感じました。(それなりに良い曲は歌っていたんですけどね)同時に、バンド色はだんだん弱くなっていきました。グループ名も、いつの間にか「沢田研二とザ・タイガース」と表記されることがありました。

ドラマーとして、サウンドの土台を担っていた瞳みのるは、次第に違和感を強めていったのかもしれません。想像できないことではありません。

現在、当時の瞳みのるの映像を見ることができるのは、タイガース主演の映画だけかな?私は「世界は僕らを待っている」と「華やかなる招待」の2つのビデオを持っています。(TV放映したものを録画したものです。)瞳みのるは、ハンサムでユーモアがあって、しっかり、正統派のアイドルしてます。…でも、とても一生懸命で、頑張っていて、ちょっと無理してるみたいに見える。真面目な人だったんだろうな…

スーパー・アイドルだった人が、芸能界とはきっぱり縁を切って、学問をきわめる。
たやすいことではないと思います。

思えば、タイガースのメンバーは

GSブームの後も日本のミュージック・シーンをリードしたスーパー・スター、沢田研二。
今は日本を代表する役者の一人になった岸部一徳。
(実際、今はどっちのギャラが高いの??…いや、ちょっとした好奇心です。スイマセン
独自の音楽活動を続ける加橋かつみと森本太郎。

そして

芸能界を引退した後、中国文学の博士号を取得し、
今は、教師の傍ら本の執筆もしている瞳みのる…

ハンパな「再チャレンジ」じゃありませんよ、これは。

アイドル・グループを脱退して新しい道を目指す人は、今の時代にもいるようですが…
…なんて…ピーと比べて、あれこれ言うのはやめましょう。

やはり、タイガースって
非凡な若者が集まっていたスーパー・グループだったんだということです。

コメント一覧

Unknown
私も小学3年生の時に テレビの中にピーに 生まれて初めての恋をしました。明治チョコレートの景品のポスターに応募して、部屋に飾り、とにかく明るくて、さわやかな笑顔に胸を躍らせたものです。
その後の歩みはつい最近知りました。本当に立派な人生の歩み方をなさっていて、心から嬉しく思いました。皆様がご指摘のとおり、全く畑違いの場で 研鑽をつみ、博士にまでなるには相当の努力があったことと思います。本当に素晴らしい人生の歩みに、心から敬意を表したいです。そして
やっぱり ピーはすごい!!!ピーが大好き!!!
master of my domain
そうですね。今のように、TVに出る人にも様々なスタイルが許される時代と違っていましたからね。時代の先端を歩んだ人にはそれ相当の苦しみがあっただろうと思います。今のミュージックシーンは人見さんにはどう映っているでしょうか?意見を聞いてみたい気もします。
Jrffrey
できれば彼にとってタイガースが忘れかけた存在ではあって欲しくは無いですね。きっと不器用なくらい真正直に人生に向き合っている人でしょうから、タイガースが嫌になったのではなく「芸能界」っていう特殊な世界に嫌気がさしたんだと思います。当時のコメントにも「芸能界って汚い、金も無いのにいい格好しなきゃいけない・・・」とか「地味でもいいから決して自分を裏切らない物を追い求めていきたい」って語ってますから。そんなカッコいい彼だからこそリアルタイムで彼を知っている女性たちは今の彼の姿を見てみたいでしょうね・・・。でも初恋の人には二度と会わないほうが想い出は瑞々しいままでいいんじゃないのかなあ(笑)
master of my domain
そうですね、中国語教育の第一線で活躍しておられるわけですから、その世界の人たちの間では、かなり名の知れた人であって当然ですよね。Jeffery様のお話をうかがっていると、人見氏にとってタイガースとは、普通の人が「学生時代にバンドをやってた…」ようなことなのかもしれない…と思います。でも、仮にそうだとしても、あまりに多くの少女たちに夢を与えてくれました。どこかの物陰から(?)、コッソリと今の人見氏を眺めてみたいような気がします(笑)
Jeffrey
人見先生もはや還暦ですが、きっとハンサムな紳士なはずですよ。絶対あの人のことですから。ご存知かもしれませんが2000年7月に高校で中国語教育に関わっている方を対象にした機関紙に人見先生が「私と中国語」というタイトルで寄稿されていますが、顔写真を拝見する限り「若々しくてかっこいいオジサマ」っていう印象を受けますね。どう見ても40代にしか見えません。ちなみにドラムスティックは武道館でのファイナル以来一度も手にしたことはないそうです。なにしろ塾高では「奇術部」の部長さんですから。思い切って○○年ぶりにお手紙差し上げてみたらどうでしょう(笑)人見先生のますますの活躍を期待しましょう!
master of my domain
Jeffery様、コメントありがとうございました。
今の時代ならば、アーティスト活動と学びの両立も不可能ではないかもしれませんが、あの頃は、時代の先端を走った人たちにはそれ相当の悩みもあつたのではと思います。今も、余暇では音楽を楽しんでいて欲しいなぁと思います。本当は一目でいいから(笑)姿を見てみたいです。きっと今も、相当ハンサムだと想像するんですが…
Jeffrey
私の世代はリアルタイムではGSはおぼろげな記憶が多少ある程度なのですが、本格的に「ザ・タイガース」のファンになりましたのは解散してからでした。とりわけ瞳みのるにはオーラを感じましたね。当時は慶応大学の大学院を終了して塾高の先生になった頃でしたか。その後、タイガース同窓会の時に北京大学に留学中ということでちょっと話題になりましたね。いまは北京にも足繁く通われて日中の中高生の交流に尽力されているようです。男の私から見てもかっこいい人ですね。私にとっては尊敬すべき人生の師かな。
master of my domain
私たちの年代で「ピーが好きだった」という人は少なくありません。いつかまた会いたいと思っている人は少なくないはずです。以前に、榊原郁恵さんも彼が好きだったと言っていました。
私は「ミーハー史」みたいな人間ですからけっこう、いろんなコトを覚えています。(この記憶力が他の分野で働いていれば…と思う事もしばしば)
ペルちゃん
日本の男性歌手
瞳みのるかあ。名前は聞いたことがあるが、誰だっけという感じです。タイガースのリンゴ・スターだったんですね。才能豊かな人だったんですね。

HPは男性が作るものが圧倒的に多く、60年代、70年代歌謡曲の女性歌手を扱ったものは非常に多いのですが、男性歌手を扱ったものが少なく、その点、Elaine'sさんのお話はとても参考になります。
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