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 増田 いずみ ~ OFFICIAL BLOG

桂 吉坊さん

2006年01月22日 | masudaizumi.com
お正月といえば毎年、1月3日から文楽は「壽式三番叟」を上演します。
七福神が船の上で登場するとてもおめでたい作品で、毎年恒例のもの。

そして、大阪歌舞伎といえば松竹。玉三郎さんと仁左衛門さんの初春歌舞伎に応募しましたが人気のためハズレ。私、恥ずかしながら、このお二人の舞台は生で拝見したことありません。

古典芸能はNHK「芸能花舞台」でしか見ていなかったのですが、なんといっても襲名続きで、おめでたい舞台の映像がたくさん観れました。

一ヶ月に一本はなるべく舞台を観にでかけようと心がけていますが、今年は、うまれて初めて落語というものにいってきました。

桂 米朝一門、桂 吉坊さんの会。

昨年残念なことに他界してしまわれた桂吉朝さん。そのお弟子さんだそうで。

場所は大阪山本能楽堂でした。概観はまるで料亭。
靴を脱いで中にはいって廊下を歩くと、そこには能楽堂が・・・ドドン~ン。
凛とした張り詰めた空間に、床が組んであって、赤い毛氈。
不思議な空間でした。

そして、この吉坊さん「落語界のえなりかずき君」と言われております。

是非是非是非!!!一度チェックしてみてください。

というのも、私はてっき中学生か、高校生かと思い「お師匠さんとこから学校いかれてるの?今は冬休み?」と聞きそうになったのですが、「すみません、僕、こうみえて、25歳なんです。お酒も飲めます」・・・・

「江戸荒物」「不動坊」「鴻池の犬」の三本を聴かせていただきやしたが・・・ちと、不思議。つまり見た目の初々しさと語りの芸の質の高さに、アンバランスを感じたのでございやす

が・・・いずみお姉さんは、その噺の呼吸美と関西弁に魅了され、このえなりかずきキャラも手伝って、すっかりファンになってしまいやした。

日本の町民の生活が覗ける「江戸荒物」という作品には、情緒を感じました。荒物屋さんというのは、いまでいう工具屋さんてなとこでしょうか。検索かけると解説や噺が読めますので、是非グーグルしてください。

大阪商人が江戸文化が花開いたことで、江戸弁を真似て寅さんのように売る台詞回しが、まったくずれていて・・・方言というものをとても愉快に描いています。

東京ではUの字型の亀の子たわし。でも大阪ではUの字に曲げていなくて、わらを硬く束ねた棒の状態で売っていて、呼び名も「切り束」

米朝師匠のお宅にはまだ存在するそうで、灰皿を洗っているそうです。

落語は文楽と、とてもつながりがあるみたいで、文楽で存在するまじめな作品を、文楽でパロディとして噺のなかに盛り込むのですね~。

先日はテレビの録画再放送で、ある大阪の酔っ払いが<忠臣蔵>を語りだして「どうや!?俺と住大夫とどっちが上手い?」といった吉朝さんの落語を聞いたことがあります。

住師匠????って、、ウハハハハハハ
今も現役 舞台で語っている、あの私が大好きな語りの、人間国宝の???出てきちゃうわけですよね。知っていれば笑えるけど知らないとなんのこっちゃ。

文楽は、いまのところ、現代ものの新作がないですが、落語は古典もあれば現代ものもある、生きた文化で、とても好きになりました。

いずみ