2025年度は、まずは連続読み物『いいかよく聞け、
五郎左よ!』を再掲してまいります。
<初出:2007年の再掲です。>
巻一の一 物語開始のこと
この物語の主人公は、丹羽五郎左衛門長秀です。
長秀は天文四年(一五三五)誕生(幼名:万千代)。
父長政の代から尾張国守護斯波家の家臣でした。天
文十九年(一五五0)頃から織田信長に仕えること
になりますが、実はこの前年(一五四九)あたり、
斎藤道三の女「濃姫」の信長への輿入れがあったり、
捕虜として預かっていた松平竹千代(のちの徳川家
康)が今川軍に奪還されたりと大変な事件が連続し
て起こります。この時機織田家の長老は平手中務丞
政秀が務めていましたが、長秀は冷静に着実に政秀
の政治手腕を身につけていきます。
次の主要人物は織田三郎信長です。信長は天文三
年(一五三四)誕生(幼名:吉法師)なので、丹羽
長秀より一年年長です。当時信長の父信秀は存命で、
先祖は尾張国下守護代大和守家三奉行の一人であり、
代々「弾正忠」を継ぐという由緒正しい家系をまも
っており、信長もしばらくは父の元で領地の経営方
法を勉強していこうと考えていました。「父が平手
政秀の手腕を活かしたように、自分は丹羽長秀の手
腕を活かしていくのだ!」と考えていたのでしょう
か、「やをれ慥かに承れ、五郎左衛門!(いいかよ
く聞け五郎左よ!)」と叱咤激励し続けます。
もう一人の主要人物は柴田権六勝家です。勝家は
誕生年・出自ははっきりしませんが、この後の進行
から見ると、織田信長より年上で直情径行の人物で、
また『義に生きる人』であることは間違いありませ
ん。そのため勝家の進む道はでこぼこがいっぱいで、
信長の家臣となるのはまだ少し先になりますが・・・
クールに裏方役をつとめる丹羽長秀と領地経営の
見習い中ながらクレバーな織田信長とホットに行動
する兄貴分の柴田勝家と。いよいよ物語が始まりま
す!
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<JR岐阜駅前の黄金の信長公像>
五郎左よ!』を再掲してまいります。
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この物語の主人公は、丹羽五郎左衛門長秀です。
長秀は天文四年(一五三五)誕生(幼名:万千代)。
父長政の代から尾張国守護斯波家の家臣でした。天
文十九年(一五五0)頃から織田信長に仕えること
になりますが、実はこの前年(一五四九)あたり、
斎藤道三の女「濃姫」の信長への輿入れがあったり、
捕虜として預かっていた松平竹千代(のちの徳川家
康)が今川軍に奪還されたりと大変な事件が連続し
て起こります。この時機織田家の長老は平手中務丞
政秀が務めていましたが、長秀は冷静に着実に政秀
の政治手腕を身につけていきます。
次の主要人物は織田三郎信長です。信長は天文三
年(一五三四)誕生(幼名:吉法師)なので、丹羽
長秀より一年年長です。当時信長の父信秀は存命で、
先祖は尾張国下守護代大和守家三奉行の一人であり、
代々「弾正忠」を継ぐという由緒正しい家系をまも
っており、信長もしばらくは父の元で領地の経営方
法を勉強していこうと考えていました。「父が平手
政秀の手腕を活かしたように、自分は丹羽長秀の手
腕を活かしていくのだ!」と考えていたのでしょう
か、「やをれ慥かに承れ、五郎左衛門!(いいかよ
く聞け五郎左よ!)」と叱咤激励し続けます。
もう一人の主要人物は柴田権六勝家です。勝家は
誕生年・出自ははっきりしませんが、この後の進行
から見ると、織田信長より年上で直情径行の人物で、
また『義に生きる人』であることは間違いありませ
ん。そのため勝家の進む道はでこぼこがいっぱいで、
信長の家臣となるのはまだ少し先になりますが・・・
クールに裏方役をつとめる丹羽長秀と領地経営の
見習い中ながらクレバーな織田信長とホットに行動
する兄貴分の柴田勝家と。いよいよ物語が始まりま
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