トウチク、園芸店では大名竹の名で流通しているが、分類上のダイミョウチクとは異なる竹である。
渡渉舎のサイトを視ると、羽舟さんはこの竹はトンキンに良く似た維管束を持っていると述べている。
我が家の庭にはこのトウチクが植えてあるのだが、日当たりが悪いせいか節間が長く、桿がねじれたり曲がったり、とても釣竿として使えるとは思ってなかった。
そのかわり非常に肉厚でテーパーが緩いため、直径16mm~18mm位のものはリールシートに加工するのには都合がいい。
この竹、アメリカシロヒトリが好んで産卵に来るようで、特に枝の増えた古竹の葉を好んで食べるようだ。何故かその年に生えた若い竹はあまり食われない。当然、古竹を早めに伐採してアメリカシロヒトリの発生を未然に防止するわけだが、3才竹の伐採を続けていくと年々本体の勢いが衰えてきてきて、直径15mm程度の細いものしか生えてこなくなった。持続的に利用しようとすると3才竹も少しは残しておいたほうがいいようだ。
っで、これまで伐採してきた古竹はそのまま放置乾燥させて刻んでゴミに出していたわけじゃが、この秋、竹竿のグリップ用に利用目的で2才竹を採ってみた。
伐採したら枝を落として火入れ、、、って、この竹ほとんど油が出ませんね。洗って乾かすだけでもよさそう。
でも肉厚があって乾燥後の曲げなおしは苦労しそうなので青い段階での火入れが正解かもしれない。
桿は比較的やわらかく、すぐにまっすぐに伸ばす事ができた。しかし、その後大変なことがおこった。
火入れから一週間ほど経った頃、芽の上の溝が内側に向ってめりこみ始め一部裂けてきた。次いで反対側が、、、ついに桿が裂けてしまった。節の部分は避けていないのでばらばらにこそなっていないが、ひどく内側にめり込むように割れている。
一部が割れることで内側の乾燥が急激に進み、一気割れてしまったのだろう。しかし不思議なことに、芽の出ていない桿は割れないのだ。まあこれも芽の上の溝がない分変形しにくいだけで、内側では着々と肉が裂けているに違いない。
火入れが原因だったかもしれないので、もう一本伐採してそのまま乾燥させてみた。
やはり芽の出た桿は割れた。
っで、この裂けた竹を見てふと思った。
こういう裂け方をするということは、表皮よりも木質部の収縮が大きいということだろう。
採ってすぐに適当な幅に割っておけば、乾燥するにしたがって表皮が丸まって竹籤状態になるのではないか?そうなると、削り穂作るのに都合よくないか?
実験は来年に続く・・・。
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