土曜日に沖縄から遊びに(?)来た若者、通称”なっさん”と一緒に朝からルアーでクロダイを狙った。
釣り場へ向かって二人で歩いていると近所のおっさん(わしも十分おっさんじゃが、、、爆)が
「又七~、今日は息子と一緒か~?」
なっさんはうちの長男と2歳しか違わないので、息子に間違われるのも無理はない(笑)。
本命ポイントの干潟は潮位と時間の関係で難しそうだったので、ちょっと単調な釣りにはなるが護岸際のクロダイをサイトで狙ってもらうことにして、それでも少し潮待ちしないといけないので、まずはたわいのない話をしながらボトム狙い。
プランクトンで緑色に濁った海の中で真っ黒い魚影がたまに動くが、なかなかバイトに結びつかない。
そうこうするうちにだんだんと潮位が下がってきて護岸下の捨石帯が長靴なしでも何とか攻めれる潮位になってきた。
普通なら水辺に立ってルアーを投げろと言われるとほとんどの人が沖に向かってキャストする。しかしここのクロダイはそれでは釣れない。
クロダイがいるかどうかも分からない、いたとしても底にはりついて水面まであがってくる見込みの低い沖に向かってキャストするのは時間の無駄というもの。昼のクロダイ狙いでやることではない。
ここでは岸壁に着いたフジツボやカキを囓っているクロダイを探して、そいつらにルアーを見せて興味を持たせて追わせて獲る。これが一番確実で楽し面白い釣り方なのじゃ。
なっさんはすぐにそれが理解できたようで、無駄に沖に投げることもなく丁寧に岸際を狙ってキャストしてゆく。
最初はあまりクロダイの魚影がなかったのでブラインドキャストしながら移動したが、そのうちぼちぼちとクロダイの魚影が増えてきて、太陽の角度も良くなりルアーに対するクロダイの反応もはっきりと目視できるようになってきた。
なっさんは沖縄のリーフでさんざんサイトフィッシングの経験を積んでいるようで、見つけたクロダイを驚かさないように適宜姿勢を低くしながらクロダイへアプローチしてゆく。
・・・がっ、クロダイも一筋縄ではいかない。
ここらのクロダイは人慣れしているというか、人を見てもあまり逃げない。びっくりしていったんその場を離れてもすぐにまた戻ってくる。
これがやっかいで、クロダイが見え続けているのでついつい構い続けてしまう。
クロダイの移動方向と自分の移動方向が同じだった場合が最悪で、やる気のない同じクロダイを延々と追い続けてしまう結果になる。
幸いこの日はそういった最悪の事態には陥らなかったものの、どうもやる気のありそうなクロダイに出会わない。
普通の釣り人ならとっくに心が折れて止めてしまうだろう。
しかしなっさんは諦めなかった。
そんななっさんの頑張りを護岸下の女神は称え、なっさんに微笑んだ。
クロダイの動きに変化が見られ始め、下を向いたりきょろきょろしたり、明らかに餌を探しているそぶりのクロダイが見られるようになった。
クロダイがルアーに反応する回数も徐々に増え、そしてついになっさんが投げたルアーにクロダイがチェイスし、食いついた。
なっさんの竿はバットから見事な弧を描きクロダイの首振りをうまく吸収している。
潮位が低くなって4.5mのタモ網がギリギリ届く高さだったため少しタモ入れにもたついてしまったが、無事ランディング~!
少しやせ気味ではあったが40cmを超えるサイズで、真っ黒で無骨な風貌の見事なクロダイだった。
その後クロダイの活性もどんどん高くなり、ルアーを見に来る頻度はますます高くなったものの追加ならず。
わしも1回チェイスがあってバイトまでは持ち込んだもののスカってしまって、、、ボウズ(泣)。
戻る頃には水温も上がってそこら中でカキの産卵が始まり海が真っ白けになりはじめた。こういう光景は地元の人でもあまり見る機会がないだろう。まるで海がなっさんを歓迎しているようだ。
それにしてもなっさんは凄い。
キャストも上手いし魚を驚かさない振る舞いが身についてるし、わしはただなっさんを釣り場へ案内して岸際を攻めるように言っただけで、他には何か教えるということも特にしないまま、なっさんが自分で考えて自分で勝手に釣ってしまったという感じでした。
こういう人材は仕事でもぜったい伸びるんだよね。将来が楽しみな若者じゃ♪
なっさん、また一緒に釣ろうな~!
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