ここに4枚の写真があります。
よく見ると2枚のシートが重なった写真だと言うことはお解りでしょう。
これ、2枚の偏光シートを重ねたモノです。
①-1は糊無し偏光シートの上に片面糊付きシートを偏光方向が直角となるように重ねた写真で、①-2は同じシート順で偏光方向が平行になるように重ねた写真です。
②-1は①-1とは逆に片面糊付き偏光シートの上に糊無し偏光シートを重ねて偏光方向が直角となるように重ねた写真で、②-2は同じシート順で偏光方向が平行となるように重ねた写真です。
光の透過が解りやすいように、下に白い紙を置きその上にLEDを点灯させ、その上に2枚の偏光シートを置いて撮影しました。
普通に考えると、①-1と②-1はどちらもクロスニコルとなっており、下側の偏光シートを抜けた光が上側の偏光シートで遮られるため光が透過せず、重なった部分が真っ黒になるはずですが、何やら光のとおり具合が予想と違うようです。①-2と②-2はオープンニコルとなっているため両方とも同じように光が通っています。
光の透過具合を小さい方から並べると
①-1<②-1<①-2=②-2
となります。
何故①-1と②-1は光が透過したのでしょうか?
何故①-1と②-1とで光の透過量が違うのでしょうか?
ヒントは、パッケージ(ナイロン)に入ったままってのと片面糊付きってこと。
そうです、光は何かを通り抜ける時に振動方向が捻れるんですね。
①-1ではLEDの光はナイロン→偏光シート→ナイロン×2→偏光シート→糊+剥離シート→ナイロンの順で通り抜けてきます。2枚の偏光シートの間にある2枚のナイロンを通る時に一部の光が振動方向を変えられているということです。
②-1ではLEDの光はナイロン→偏光シート→糊+剥離シート→ナイロン×2→偏光シート→ナイロンの順で通り抜けてきます。2枚の偏光シートの間に糊+剥離シートと2枚のナイロンがあり、糊+剥離シートがナイロンよりも多くの光の捻れを生じさせているということなのでしょう。
さてさて、偏光グラスのレンズの構造は各メーカーサイトやカタログに掲載されているので当記事を覗きに来られる方はどうなっているかご存じですよね。偏光グラスでは偏光シートはガラスや樹脂でサンドイッチされています。サンドイッチされているということは当然糊付けされているということです。つまり偏光シートの対物側で光の捻れが多少なりとも発生しているということですね。
こうしてみると、偏光レンズの性能はシートの性能だけで決まるわけではなく、レンズ素材や張り合わせに使われている接着剤の特性の影響を強く受けているということで、コーティングも影響しそうですね。使用する材料の特性を上手く組み合わせて対物側での光の捻れをどれだけ少なくするかがメーカーの腕の見せ所なんでしょう。
っと、余談はさておき、こんなネタのために偏光シートを買ったわけではありません。
何のために買ったかというと、これです。
これを見せても何に使うモノか解りませんよね。
実は、OptioW30用の偏光フィルターを作りかけているんですよね。
まず、円形に切った偏光シートをスプリットリングに挟みます。
曲げ加工した針金がフィルターホルダーで、U字部分をW30の三脚ネジ穴にネジ留めして、開いた輪っかの所にスプリットリングをはめるって案配です。
こうしておくと、フレーミングに合わせて偏光フィルターが回転可能です。(実用新案とろうかな?)
でも、リングの径に合わせてワイヤーを曲げるのがかなり難儀でした。なかなか正確に曲げられないんですよね~。
っということで、作成依頼には応じませんのであしからず。
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