8月17日から19日に、石巻に出張箱庭に行ってまいりました。
遅れましたが、報告させていただきます。
今回の出張箱庭は、スタッフ7名で仮設大瓜団地、真野団地、押切沼団地、糠塚前団地を廻るというものでした。
仮設団地を訪問する前日に、スタッフで大川小学校、雄勝、日和山などの被災地を訪れました。初めて目にする津波の痕跡。カメラを通してではなく自分の目で見るその惨状に言葉を失いました。何回か現地を訪れているスタッフは、土地の整備がだいぶ進んだと話していましたが、私にはそうは思えませんでした。平らに整備された土地の土の中に、携帯電話の破片や茶碗のかけらが混ざり込んでいるのを見て、まだまだ復興は進んでいないんだな、と思いました。
・仮設大瓜団地
18日の午前中に伺わせていただきました。
箱庭の大きなボックスを目の前にして、みなさんも始めは緊張なさっていたようですが、お茶会をする中で、少しずつ箱庭を体験してくださいました。箱庭体験会に一緒に来てくれたワンちゃんが、可愛くて可愛くて!心に残ってます。
一つ印象に残っている嬉しいことがありました。
今まで集会所に来たことが無かった団地の方がいらっしゃったのですが、(何をやってるんだろう?)と箱庭体験会を覗いてくれたことで、集会所に集まった他の方々と繋がるきっかけとなったことです。人と人とが出会うきっかけに関われることって、本当に嬉しいです。
・仮設真野団地
18日の午後に伺わせていただきました。
非常にたくさんの方が箱庭体験会に参加してくださいました。子供達は、まずは友達同士で共同で箱庭を作り、その後に自分一人で箱庭を作っていました。その自分一人で作った箱庭の写真をスタッフが写真に撮り、プリントしてお渡しすると、じっとその写真を見て大事そうに持ってくれていました。大人の方々も、多くの方が、箱庭のフィギュアを見ていろいろな思い出を語られながら、ゆっくりと作品を作ってくださいました。またお茶を飲みながら、津波の話や今現在の生活などについてもたくさんお話をしてくださいました。もう少しゆっくり時間が取れたらいいのになぁ、と思いました。
・仮設押切沼団地
19日の午前中に伺わせていただきました。
我々が到着するとすぐに団地内のみなさんが集まってきてくださり、お茶会が始まりました。津波の日の話、仕事の話、仮設団地の生活や、美味しいお寿司屋さん、らーめん屋さんの話まで、たくさんお話を聞かせていただきました。
子供達は恐竜やカエルやヘビなどのフィギュアが並んでいるのを見て、はしゃぎまわりながら箱庭の砂の上に並べていました。大人の方もみんなで住める集合住宅の箱庭を作り、「ここは○○さん、ここは△△さん!」と盛り上がっていました。最後も我々の車が出発するまで、みなさんで見送ってくださいました。
・仮設糠塚前団地
19日の午前中に伺わせていただきました。
子供たちの参加人数はそう多くありませんでしたが、それぞれの子が積極的にじっくりと箱庭を楽しんでいました。年配の方は、自分から率先して箱庭を始められませんでしたが、スタッフの声掛けで箱庭を始められました。出来あがる頃には周りで見ている方も含めて、みなさん笑顔になっていらっしゃいました。
箱庭とお茶っこスペース、どちらも人が集まり、ワイワイと楽しい時間が流れていたように感じました。箱庭を持って訪問したことを、とても喜んで下さいました。
また、箱庭と人形を持って、石巻に伺いたいと思っております。
現在まで4回にわたって仮設団地を訪問してきましたが、今回仮設団地が新たな問題を抱え始めていることを感じました。狭い空間にいろいろの世代の、いろいろな地域から集まってきた人たちが、人間関係の難しさに直面し、将来に対する不安、現在の生活の不便さなど、自力では解決できない問題が山積しているように感じました。私たちの活動もそうした変化に応じたものでなければならないと思います。単にイベントをすればよいという時期は終わったようです。私たちにできることを、もう一度考えなければならないと思っています。