いち・に・山歩!! 

街・山、名所・イベント等、様々な場所に出没!
『よし』・『ゆき』、我が家に住むペンギン?の「ペン太」の散策記です!

春麗富嶽12景 秋の天空の花園 湯ノ坂峠~小金沢山~初狩 2015.9.21(月祝)

2015-09-21 22:53:35 | 山歩(さんぽ)2015

 お盆休みの時に訪れた『春麗富嶽12景の山』である大蔵高丸、ハマイバ丸ですが、雲で富士山は全く見えなかった。
乗りたいバスの時間から逆算した電車の時間で特急券を購入したのに、何処かで計算を間違えたらしく、バスの時刻に間に合わず、計画していたコースを大幅に変更、短縮する事になってしまった。。

 「今度こそ」と言う事で、再度上る事にしました。
今度は時間を間違えぬよう、何度も確認をしてのスケジュール作り。
 
 バスの本数が少ないので、同じ電車には同じ甲斐大和駅で降りて同じバスに乗る登山客が大勢乗っていました。
バス1台では乗り切れず、2台増便し、3台での出発に。
前回訪れた際には、登山客は我々2人のみでしたので、バスの時間に合う電車とそうでない電車とで、乗降客に大きな差が有る
 『普段は静かな駅』
である事が分かりました。

 この日の朝食は、家では先日小仏城山へ行った際に購入した豆腐屋さんのおからドーナツを1個ずつ食べ、その後コンビニで購入したパンを電車の中で食べました。
早朝の出発なので、どうしてもこうなってしまうかな。
電車も、途中から座れたから食事が出来たのだけれど、そうでなかったら食事は出来なかったなぁ。
この辺が次回の課題だなぁ。

 やまと天目山温泉でバスを降りました。
前回は此処までが歩きだったので、疲労度合いが大違い。
 「もう到着?」
と言う感じ。
 「前回は…」
と、ゆきさんの一言に何も言えません……。

 バス通りから離れ、林道を行きます。
キャンプ場を過ぎ其処から先は川と風の音、鳥のさえずり以外何も聞こえない。
道沿いには栃の木が多く、実がたわわについていました。

 道の彼方此方に落ちていた栃の実。
栃餅を作る際の材料になるけれど、あく抜きがとても面倒な実。
簡単に作れるのなら栃餅を作って食べたいけれど、そうではないので、
 「此れが栗やクルミだったら良かったのに」
と思ってしまう…。
そこら中に栃の実が落ちているので、収穫しようと思えば簡単にスーパーの袋を一杯に出来る。
知り合いで栃餅を作ってくれる人が居れば喜んで拾うのだけれど。

 キャンプ場を過ぎ、少し行くと神社が有り、その先に焼沢集落跡が有ります。
集落の端にお社が有るのだけれど、8月に来た時に感じたのは
 「しめ縄は比較的新しいなぁ」
と言う事。
集落に人がいなくなって久しいと思われるのだけれど、この集落出身の方が、しめ縄を替えたのではないかな。
車を使えば甲斐大和の駅迄大して時間は掛からないけれど、
 「この山中での暮らしは街の暮らしに比べると」
と言う事で、人が減っていったのではないかな?
広い畑を設ける場所がないので、何を生業にされていたのかな?
納屋の様な建物跡が有るので、農作業や林業で使用する道具や機械が置かれていたのかな?
それとも牛が飼われていたのかな?
昔は養蚕が行わていたとか?
 崩れた建物や車等の残骸や家屋の裏に有る荒れ果てた小さなお社(お稲荷さんかな?)見ながら、
 「都市に人も物もお金も集中する現在の状況、体制」と、その裏に有る「地方の荒廃」を目の当たりにした光景でした。


 シモバシラの花かな?
道端に多く咲いていました。
シモバシラは高尾山が有名だけれど、高尾周辺だと冬場に氷の花を成長させるのに条件の良い気候が続く事が条件になります。
この辺りだと高尾よりも冷え込みが厳しいでしょうから、氷の花が普通に見られるかな? 

 林道は日当たりが良いので、花も多く咲いていました。
これはカワラナデシコ。

 キノコも沢山出ていました。
強烈な日差しではなく、木漏れ日が差し込む明るい森で、綺麗な明るい緑色の苔がモコモコと生い茂る場所が有ったり、草花が生えている場所が有ったりと、植生も多様。

 毒キノコでも食べられた跡が有る物が多数あります。
ナメクジだったり、昆虫だったり、毒キノコでも問題無く食べる事が出来る生物がいるんだよね。
 「人間って弱い生物だなぁ」
と、思ってしまう。
物を使ったり、作ったり、物も食べ物も加工して形を変える事によって新たな物を作り出すこともできる。
そう言う事が出来たからこうやって生き残れたのだけれど、体力や体の強さでは非常に弱い存在だよなぁ。

 ヤマブドウを発見。
前回ヤマブドウが生えている事に気付いていましたが、今回はブドウの旬で、其処彼処にブドウが実っていました。
とは言え、大半は手が届かない高い場所に実っているので、指を咥えて見ているだけ…。
 「何だか猿蟹合戦の蟹の気分だなぁ~~」

 マユミかな?
と思ったけれど、ツリバナやサワダツの方が似ていると思う。
マユミは大学のゼミで発表(担当)した伊勢物語で詠まれていたので、思い入れの有る木。
 う~ん、懐かしいなぁ。

 「梓弓 ま弓槻弓経て ごと うるはしみせよ
 「梓弓 引け引か昔より に よりものを」(『伊勢物語』 梓弓(あずさゆみ))

一緒に発表した林さん、どうしているのかなぁ~。

 キツリフネソウ
 ツリフネソウを初めて見たのは高尾南稜だったと思う。
その後高尾山や他の場所でも見掛けて、と言うか印象深い花だったので、
 「気付く様になったから、何処で見掛けても認識する様になった」
と言うのが正しいのかも知れない。
 「よく落ちないなぁ。風が吹いたら花が落ちてしまいそう」
と言う感じに細い糸状の物で花がぶら下がっています、。
釣舟か。
そう言うネーミングも好きです。
 ウラシマソウ(浦島草)も同じ様な名前の付け方ですね!

 フシグロセンノウ。
この花を初めて見たのは、丹沢の岳ノ台(だけのだい)でした。
「綺麗な、可憐な花だなぁ。栽培品種みたいだなぁ」
と思った記憶が有ります。
節(ふし)と節の間が黒いので、「節黒(ふしぐろ)」。
「せんのう」は「仙翁」と言う漢字。
ナデシコ科の花で、鎌倉~室町時代に中国から渡来した「仙翁」と異なり、フシグロセンノウは日本の固有種です。

 登山道入口。
林道は左手に伸びており、蛇行しながら山を登って湯ノ沢峠で再びこの登山道と合流します。

 この登山道入り口から湯ノ沢峠迄の道は、私もユキさんもお気に入りの場所。
この日はヤマブドウを食べたり。

 花をめでたり

 スズムシバナ(鈴虫花)かな?

 カエルを観察したり。

 とにかく苔が元気で活き活きとして輝いている沢で、初めて見る種類を含め、苔の種類が多い場所です。
川沿いの地面は「苔の森」と言う感じで、指の第1、第2関節位の大きさの人形を置くと面白い写真が撮れそうです。
まるで原生林の様な光景で、木漏れ日が差し込むと明るい緑色の苔が輝いて綺麗なんです。

 でも、前回同様この日も快晴ではなく、日が差し込む時間は短く、途中で霧が立ち込める天候に…。

 トリカブトも咲いていました。
猛毒植物だけれど、うっとりする位に綺麗だよなぁ~。


 霧の中、湯ノ坂峠(1640m)に到着。
前回は最初から曇っていたけれど、今回は麓では時折雲の間から太陽が出ていました。
でも、沢を登っている間に霧が立ち込め、前回より遥かに薄暗い。
霧でどんどん視界も利かなくなってくる。
 写真の建物は避難小屋です。

 奥にトイレが見えます。
トイレの方が避難小屋より新しくて外観が綺麗で、こちらに泊まりたい気持ちになってしまう。

 「これでは富士山は絶対に見えないね」
 「麓は時折晴れ間がさしていたから、タイミングが良ければと思っていたのに、こんなに霧が出るなんてね…」
と、驚きながら先を行く事に。
お盆には花盛りだった天空の花園はどうなっているかな?
 早速花を発見🎵


 

 アキノキリンソウかな。

ハナイカリ。

 花の最盛期は8月なんだね。
花盛りで蝶が飛び交っていた草原は、遅れて咲いた花を見られるものの、ススキが主役になりつつある秋景色になっていました。




 フウチソウ。

クルマバナ(車花)トウバナ属。山地の草原に生える多年草。北海道~九州に分布


シシウドかな?

吾亦紅(ワレモコウ)

パフボールの別名が有るホコリタケ。
幼菌の時には食用になるキノコで、パフとかホコリで分かる様に、つつくとホコリと言うか煙と言う感じの胞子を出すキノコです。
つい、棒でつついて遊んでしまうキノコです。

 アップで撮影。

 タマゴタケを発見!
私はこの前、城山で見たけれど、ユキさんとみるのは久しぶり。
出たてなので、ひと際艶々して輝いていました!

セッカ(雪加)かな?

 ブナの実!
栄養価が高く、美味し意味で熊が好んで食すのだけれど、小さいので1粒食べても良く分からない。
私の舌が鈍感なのかな?
色々な本で「美味しい実」と記されているのだけれどね・・・。
この1粒は山に蒔いておきました。
発芽して大きな木になって再び出会えたら嬉しいな!

ホオジロの雄かな?カシラダカにも似ているけれど、顔の模様が違うかな。

 大蔵高丸に到着。
ここも草原で、標高は1752m。
春麗富嶽12景の1つですが、今回も富士山は全く見えず・・・。

 ツノハシバミ。
日本のヘーゼルナッツと言われる実。
褐色になると「熟した実」なのだそう。
でも、この時点では未だ緑の実しかなかった。


 ヤマラッキョウの花。
何年振りかな?
箱根の湯坂路以外では初めて見たなぁ~。
山に生えていて、球根がラッキョウに似ているからと言うのが名前の由来。

 ハマイバ丸に到着。
標高は1752m。

 ドクベニタケかな? 

 ん?
倒木に何やら黄色くて平べったいキノコが。

 『マスタケ』だぁ~~!!
実物は初めて見た。
これは幼菌の時には食用になるキノコ。
大きいキノコで、サルノコシカケみたいだなぁ。
手のひらよりも1~2回り大きいキノコです。

 艶々した出たてのキノコ。
何だろう?
完全に開いたきのこが周辺に有ればヒントになるのだけれど、見つからなかったなぁ。
似たきのこが有るので、ちょっと分からないなぁ。

 天下石に到着。
標高は1600m程。
この由来が分からなかったなぁ。
他の場所にも天下石と言う物が有るそうだけれど・・・。

 天下石の足元、天下石の写真の左側の地面に顔を出していた小さなきのこ達。
5㎝位だったかな?
クヌギタケの様な小さなきのこだけれど、傘の部分は『アポロチョコ』を思い出すなぁ。
う~ん、懐かしい。

 米背負峠に到着。
標高は1600m程。
前回は此処から下山したんだよな。
今日は此処から先の山に進みます。
初めて通る道、濃い霧が立ち込めて視界が悪いし、日没までに下山するにはあまり余裕がないので彼是気を使う行程でした。 

 以前に戦場ヶ原(日光)で見たヤマブシタケ?
にしては、デコボコしているし、ヒダが細かいなぁ…。
 これは同じサンゴハリタケ科のサンゴハリタケですね。
初めて見た🎵

 触ってみると、意外に硬くてしっかりしている。
細かいヒダが簡単に取れてしまうかと思ったら、しっとりとしているけれど、全体が1つの塊といった感じでしっかりしていました。
 因みに食用のキノコ。
ヤマブシタケは料理に使う際には汁を吸う特徴を生かして美味しく頂けるきのこ。
同じサンゴハリタケ科のキノコだけれど、同じ調理法で良いのかな?

 大谷ケ丸の山頂は木々に囲まれた平らな広場と言う感じ。
数人のグループだったら2~3組がビニールシートを広げられる位の広さが有る。
眺望には恵まれないけれど、静かな森の中のちょっとした広場と言う感じで良いな。
標高は1643.8mとの事。

 大谷ケ丸から先は、一段と濃い霧に覆われていて視界が利くのは数m先と言う状態。
分岐が有ったり、尾根は前に有るけれど、直角に右折する箇所が有ったり、尾根から離れる箇所が有るので、踏み跡と道、地図を何度も確認しながらの行程になりました。
周囲の山や地形が見えないので、尚更気を使いました。
アモウ沢乗越で直角に曲がる所、その少し先での右折は注意点かと。
2015年版山と高原地図でも「踏み跡薄い」と赤字で記されています。

 鎮西ケ池に到着。

 小さな小さな泉です。
コップが有るけれど、水を汲まなかったなぁ。
興味は有ったけれど、ペットボトルをリュックの奥から出すのが面倒だったし、時間が押していたので今回はパス。

 小さなお社も有ります。
「今回の登山の安全」を第一に御祈りしました。
でも時間に追われているので、ササッと歩きながら。

 滝子山へは急な上り道を登ります。
登りより下りの方が気を使う急坂でした。
雪が積もったらちょっと遠慮したい急坂でした。

 狭いピークが滝子山の山頂。
ここも春麗富嶽12景の1つで、標高は1590.3m。
霧で隣の山も見えません。

 檜平に到着。
この手前は男坂と女坂が有ったけれど、女坂を選択。
なだらかな森の広場と言う感じの場所で、のんびり休憩をしたい場所でした。

 さて、問題はこの檜平からどうするか?
当初は南東に伸びる尾根を下り、藤沢集落に下り、初狩駅に向かう予定だったのだけれど、それだと林道に出る迄にあと1時間20分かかる。
初狩駅に真っ直ぐ向かうので、其処からは45分で合計2時間5分で駅に到着。
唯、山の中を歩く時間が長く、日没迄に林道に下りられるか微妙なところ。
 もう1本道が有り、真っ直ぐ南に向かう道が有り、この道だと1時間で林道に出られる。
唯、其処から駅迄の道路歩く道のりが1時間35分と長く、合計2時間35分。
合計時間は後者の方が30分長くなるし、道路歩きの内60分は交通量の多い国道沿いの行程になる。
登山道の部分には「一部状況が悪い 通行注意」と地図に表記されている。

 「通常なら前者を通るのだけれど、初めて行く山の中での日没は避けたい」
と言う事で、後者を選択。
唯、この道は「地図の注意書き通り」どころか「最初から最後まで道の状況が悪い 通行注意」と言う道でした。
最初はゆるゆるの柔らか過ぎて、足を置くと土が流れる道を通って山を下って山腹を横切り、その先は急で細い尾根道を延々下ります。
道と言うより
 「最近木々が伐採された細い尾根」
と言うのが正解。
地面は小石交じりで、一歩一歩気を使いながらの行程でした。

 何とかに日没前に林道に到着。
唯、此処から駅までが長い。

 線路をくぐって国道20号(甲州街道)に到着。
途中で中年の女性一行を追い抜きましたが、1人が明らかにペースダウンしていました。
膝が痛くてスピードが上がらない様子。
同じ山道を下ってきたのだと思います。
急な下り坂と長い下りの林道歩きが響いたのでしょう。
残念ながら駅へ向かう最終のバスが行った後で、駅迄歩くしかありませんでした。
此処は駅と駅の中間で、どちらの駅に向かうのにも長い道のりと言う場所。
車はひっきりなしに通るし、ラインだけで歩道が無い場所も有るし、出来れば夜間は歩きたくないなぁ。

 フラフラで初狩駅に到着。
流石に疲れました。
特急が有れば乗って帰りたいけれど、大月でないと停車しないしなぁ。
高尾行の電車に乗り、高尾迄グッスリ眠りました。
結局富士山が見られなかったので、また訪れる事になると思いますが、日が短くなり雪も有る冬場は尚更条件が悪いので、春まで待たなければならないかな。

 キノコの多さに圧倒され、木々が元気でとても気に入った山ですが、コースも長いし、道標が少ない場所もあるし、山深く、登山者も少ないので注意が必要な山域ですね。
50000分の1の登山地図だと等高線が狭くて地形が分かり難いのが難点。
こう言った気を使う山だともっと縮尺が緩い地図の方が良いと思います。
登山地図が有れば良いけれど、無いのなら国土地理院の地図を買うようかな?

 「気を使う行程だったけれど、凄く魅力的な山で、とても楽しかった。また来よう🎵」

と言うのが2人の感想でした。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿