和楽器のあちこちには、お象牙が使われております。
贅を尽くしてという装飾的な使われ方も
多少ないワケではございませんが、
殆どは、良い音色を出すために、なくてはならない
大切な材料として使っております。
とりわけ、お三味線の撥や、お箏の柱、お爪の場合は、
直接に絃に触れる部分でございますので、
お象牙のよしあしが、
音色を大きく左右する重要な役割を担います。
良いお象牙を見極めることなしには、
良いお道具に巡り合えないと申し上げても
過言ではないかと存じます。
もしも、ご興味のおありになる方がいらっしゃいましたら、
少しお付き合い下さいませ。
お道具には、アフリカ産の象牙が使われます。
かつては、良質な北アフリカ産のお象牙だけを使用しておりましたが、
近頃では、手に入れるのが難しいという状況になってしまいました。
心ない濫獲によるもので、収獲地をだんだんと南の方へ下げ、
昨今では、ジンバブエ辺りの象牙が輸入されておりますとか・・・。
『ソフト』とか呼ばれているのがそれでしょう?
お心当りの方もいらっしゃるかと存じますが、
何となく白っぽくて、少々、水っぽい感じが致しますね。
見たところ、判りにくい場合もございますが、
ちょっと弾いてみますと、明らかに音色がよくありません。
お象牙には、何の罪もございませんのに
とても残念ですけれども、
あまりお薦めできない感じのお品です。
象牙は、乾燥すると隙間が開いてしまうことがありますが、
(『口が開く』という表現をいたします。)
新しい生地でしたら尚更、この点でもご注意が必要でしょう。
平素の練習用には、鼈甲やプラスティック製などで代用して
おりますけれども、本来は丸ごと全部、お象牙で出来ている
という大変贅沢なものが、お三味線の撥です。
『丸撥』と呼ばれております。
一本のお象牙から、通常、四丁の丸撥がとれます。
中心に近い部分から取られた二丁の撥の方が上等です。
『芯持ち』と呼ばれるものでしたら、生地は最高です。
外側から取られた二丁には、多少皮目が出ていることもあります。
とりわけ、少し細めの牙ですと、皮目が出てしまいがちです。
せめて撥先には皮目のないものをお選びになられるのがよろしいでしょう。
生地には、固めのもの、柔らかめのものがございますが、
これはどちらがよいという訳ではなくて、
音色のお好みでお選びください。
ところで、生地に『やまい』と呼ばれる一種のキズが
ついてしまっている場合がございます。
この『やまい』を少しでも持っておりますと、
音には直接、関係がないのですけれども、
やはり見た目で好まれませんので、
割安なお値段で購入することが出来ます。
お気にならないようでしたら、かえってお買い得なのではないでしょうか?
ご本人様が好まれないと存じますので、お名前は申しませんが、
お象牙のことを知り尽くしていらっしゃる、さる有名なお方に、
折節、教えて頂いたことを少しだけお話いたしました。
つやつやしたお象牙の撥の、したたるような美しい光沢には、
いつもうっとりとしてしまいます・・・。
平素より大変お世話になっております
今日は、ひさしぶりにお陽様もお顔を出してくれて気持ちの良い午後です。
色をも香をも知る人ぞ知る・・・
贅を尽くしてという装飾的な使われ方も
多少ないワケではございませんが、
殆どは、良い音色を出すために、なくてはならない
大切な材料として使っております。
とりわけ、お三味線の撥や、お箏の柱、お爪の場合は、
直接に絃に触れる部分でございますので、
お象牙のよしあしが、
音色を大きく左右する重要な役割を担います。
良いお象牙を見極めることなしには、
良いお道具に巡り合えないと申し上げても
過言ではないかと存じます。
もしも、ご興味のおありになる方がいらっしゃいましたら、
少しお付き合い下さいませ。
お道具には、アフリカ産の象牙が使われます。
かつては、良質な北アフリカ産のお象牙だけを使用しておりましたが、
近頃では、手に入れるのが難しいという状況になってしまいました。
心ない濫獲によるもので、収獲地をだんだんと南の方へ下げ、
昨今では、ジンバブエ辺りの象牙が輸入されておりますとか・・・。
『ソフト』とか呼ばれているのがそれでしょう?
お心当りの方もいらっしゃるかと存じますが、
何となく白っぽくて、少々、水っぽい感じが致しますね。
見たところ、判りにくい場合もございますが、
ちょっと弾いてみますと、明らかに音色がよくありません。
お象牙には、何の罪もございませんのに
とても残念ですけれども、
あまりお薦めできない感じのお品です。
象牙は、乾燥すると隙間が開いてしまうことがありますが、
(『口が開く』という表現をいたします。)
新しい生地でしたら尚更、この点でもご注意が必要でしょう。
平素の練習用には、鼈甲やプラスティック製などで代用して
おりますけれども、本来は丸ごと全部、お象牙で出来ている
という大変贅沢なものが、お三味線の撥です。
『丸撥』と呼ばれております。
一本のお象牙から、通常、四丁の丸撥がとれます。
中心に近い部分から取られた二丁の撥の方が上等です。
『芯持ち』と呼ばれるものでしたら、生地は最高です。
外側から取られた二丁には、多少皮目が出ていることもあります。
とりわけ、少し細めの牙ですと、皮目が出てしまいがちです。
せめて撥先には皮目のないものをお選びになられるのがよろしいでしょう。
生地には、固めのもの、柔らかめのものがございますが、
これはどちらがよいという訳ではなくて、
音色のお好みでお選びください。
ところで、生地に『やまい』と呼ばれる一種のキズが
ついてしまっている場合がございます。
この『やまい』を少しでも持っておりますと、
音には直接、関係がないのですけれども、
やはり見た目で好まれませんので、
割安なお値段で購入することが出来ます。
お気にならないようでしたら、かえってお買い得なのではないでしょうか?
ご本人様が好まれないと存じますので、お名前は申しませんが、
お象牙のことを知り尽くしていらっしゃる、さる有名なお方に、
折節、教えて頂いたことを少しだけお話いたしました。
つやつやしたお象牙の撥の、したたるような美しい光沢には、
いつもうっとりとしてしまいます・・・。
平素より大変お世話になっております
今日は、ひさしぶりにお陽様もお顔を出してくれて気持ちの良い午後です。
色をも香をも知る人ぞ知る・・・