蛍のひとりごと

徒然に、心に浮かんでくる地唄のお話を、気ままに綴ってみるのも楽しそう、、、

一絃琴

2021年12月16日 | その他のよもやま
木曜日がやってきました。
担当の漂泊人です。
前回の朝顔日記で須磨琴が出てきました。
これは弦が一本しかない一弦琴と呼ばれる古いお琴です。
平安の昔、在原行平なる貴人が、浜辺に流れ着いた舟板に冠の緒を張って作ったのが初めとされ、今でも須磨琴保存会があります。
これは土佐にも伝わりました。
映像は、昭和三十六年の『土佐風土記』から取ったものです。
長さ三尺余り、幅四寸ほどの構造で1本の絹弦が張ってあります。
明治の中頃までは、これを肩に
背負い正に漂泊する流し芸人がいたようです。
一弦琴をよくした奏者に森田五郎という人物がいます。
名古屋の人だった森田は、一弦ならぬ二弦琴から応用して大正琴を作りあげました。
名古屋の大須観音境内には大正琴発祥の碑が建っています。
(文 篠原昌人)
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