MY LIFE AS A DOG

ワイングラスの向こうに人生が見える

ギリシャの価値観

2004年07月30日 23時35分03秒 | 雑感
ラボにいるギリシャ系ドイツ人の友人が先日ランチの時にこういう話をしていた。
ギリシャは貧しい国だが、そこに生きている人々はみなハッピーだと。稼ぎは決して多くないし、でっかい家を持っているわけでもないが、夕方になると皆で友人の家に集まりわいわいと話に花を咲かせるのだという。ワインのグラスを傾けつつ政治談義をし、時には家族の自慢をし、サッカーの話をする。
それが人生だと彼は言う。

「おまえら日本人はハッピーか?」と彼に訊かれて僕達は一瞬言葉に詰まった。
確かに日本は世界でも有数の金持ち国家で、落ち込んだとはいえいまだに経済大国と呼ばれていることに変わりはない。戦後日本では、成長しつづけることが至上命題とされ、肥大化した経済の中で人々は己の本分を忘れ、実態のないバブルに現を抜かし、その夢が潰えた今もまだ懲りずに夢の再現を心待ちにしている。
それで本当に幸せなのかと彼は問うたのである。

果てしない成長が単なる幻想にしか過ぎないことぐらいアホでもわかる。
出生率が低下しているという話を先日書いたけれども、ある人に言わせると国土の広さ等から算出した日本の至適人口は高々7千万人だという。一億はまだまだ多すぎるらしい。

今の日本は背伸びをしすぎているのかもしれないなーと思う。
アメリカもどっかの放蕩息子のために崩壊寸前だが、そのアメリカをどこまでも追いかけようとするプチ・アメリカ国家日本も彼らと一蓮托生の道を歩もうとしている。
僕は経済には明るくないけれども、経済規模がここまで違う日本が、アメリカ的システムばかりを追求するのはどう考えても身分不相応ではないだろうか。

まあ、アメリカのことはひとまず置くが、
とにかく持続的成長を目指すことはもはや現実的ではない。
経済成長よりもっと大切な価値があることを僕らは忘れているのではないかという気がする。

今の日本に必要なものはむしろ“停滞”なのかもしれない。
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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ハッピー (ダイアン)
2004-07-31 16:58:49
君はハッピーかい?って聞かれて

言葉に詰るのは、とっても寂しいですよね。

まずは個人が自分の場所で「ハッピー」に

なれなくて、大きな社会がどうにかなるのか

馬鹿な私には疑問です・・・・。
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引き続き暑い日本から (Pow on !)
2004-07-31 15:19:17
Slow lifeなどという言葉も一時の流行語のように消えていきそうですが…職場の状況次第で休日出勤してしまったりするので人のことはいえません。

それにしてもアテネオリンピックの準備の遅れっぷりはいっそ清々しいほどですが。こんなことでイライラしてはいかんのでしょうか?
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ごめん (kazu-n)
2004-07-31 14:08:29
誤ってエンタ-ボタンを押してしまうと上記のようになります。



とにかく、僕が言いたいのは馬鹿の一つ覚えのようにアメリカに追従していても未来はないと言うことでした。



返信する
僕もfriends (kazu-n)
2004-07-31 13:41:08
わけのわからない文章になってしまいました。



続きです。





アメリカではマンモス校の建設はすでに時代遅れだそうですが、日本では未だ建設ラッシュだと言います。

アメリカの政策を無自覚に受け入れた結果、アメリカが既に誤りとした政策を今更ながら日本が真似しているという事が起り得るのです。



外務省北米局のエリートが日本の進むべき方向をすべて決定しているこの流れが日本をダメにする元凶であるといわれます。
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もfriends大好きです。 (kazu-n)
2004-07-31 13:08:10
なんですねー僕も。

なんてったって面白いものはしょうがないですね。

難しいのはそこなんです。

フランスだって、当のギリシャだってアメリカ的グローバリズムの恩恵にあづかっている側面を持つのはのはやむを得ないことだと思うのですが。

僕が言いたいのは、日本が意味なくアメリカ的システムに同調していると言うことなんです。



たとえば、文部科学省がアメリカの真似をしてマンモス学校を日本国内に建設しようとした時。

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もfriends大好きです。 (kazu-n)
2004-07-31 13:08:08
なんですねー僕も。

なんてったって面白いものはしょうがないですね。

難しいのはそこなんです。

フランスだって、当のギリシャだってアメリカ的グローバリズムの恩恵にあづかっている側面を持つのはのはやむを得ないことだと思うのですが。

僕が言いたいのは、日本が意味なくアメリカ的システムに同調していると言うことなんです。



たとえば、文部科学省がアメリカの真似をしてマンモス学校を日本国内に建設しようとした時。

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日本より (usuhs)
2004-07-31 09:49:28
やっと、繋がりました。日本は暑い。

日本人に生活の質の向上が必要といわれて久しいような気がしますが、日本に帰って思うのは、やはりアメリカ生活のゆとりです。アメリカでも皆が同じではないにしろ、しっかり休みを取って家庭生活をエンジョイする姿勢は、やはり必要だと思います。そのためにアメリカ型の大量生産、大量消費社会が必要なら、どうしましょう?アメリカから日本に戻ったことを後悔しつつ、FrendsのDVDをみている今日この頃です。
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