MY LIFE AS A DOG

ワイングラスの向こうに人生が見える

この連休中

2010年07月19日 23時41分23秒 | ダイアリー
この連休中、義兄夫妻を訪ねて兵庫県の西宮に行ってきました。

また、その帰りに、生まれて初めて大阪のなんばに行き、かに道楽の張りぼてのカニや、くいだおれ人形などを見物し、行列のできているお好み焼屋に1時間近くも並んでお好み焼を食べてきました。

まさにコテコテの大阪体験といっていいでしょう。

また、おみやげには、いかにも冗談好きの大阪らしく、北海道土産の定番として有名な「白い恋人」をもじった「面白い恋人」という名のお菓子を購入しました。

街中でお笑いライブをやっていたり、川べりで漫才の練習している人たちがいたりと、

さすが吉本興業を生んだ大阪は、東京とはひと味もふた味も違う雰囲気の町でした。


さて、ちなみに往復の新幹線の中では本を2冊読みました。

池谷裕二という脳科学者の書いた「脳は何かと言い訳する」と、蓮實重彦、黒沢清の両氏による対談本「現代アメリカ映画談議」です。

池谷氏の名前は(先のブログのエントリーでも書いたように)内田樹氏のブログで知りました。最新の脳の研究について、面白おかしく解説してくれていて、非常に読みやすく、ためになりました。しかも、ちゃんとリファレンスが付いていて、ネイチャーやサイエンスといったトップジャーナルのペーパーまでがしっかりとレビューされているのが驚きでした。

いろいろ面白い話が載っているのですが、ひとつ例をあげると、たとえばコイントスをやって表か裏をあてるという場合の脳の働きについての話はとても興味深いものでした。
コイントスをするとき、我々はその瞬間瞬間によって「表」と予想したり「裏」と予想したりします。これは予想する本人に言わせればあくまで“勘”なのですが、この“勘”を生みだしているものが、脳神経細胞が発する活動電位の「ゆらぎ」という現象なのだそうです。神経細胞の内部の電解質の濃度は常に変化し続けていて、これらが「ゆらぎ」現象を引き起こしており、その濃度の値によって活動電位に差が生じ、それが“勘”を生むのだそうです。

ちなみに、2冊目の本は、スピルバーグ、イーストウッド、タランティーノという現代のアメリカ映画を代表する3人の監督について、蓮實、黒沢両氏が縦横無尽に語り倒すという本で、相変わらずディープでマニアックな世界が展開し、こちらも大変面白く読みました。
蓮實氏は、スピルバーグの映画には“白い”時代と“黒い”時代があり、その境目はほぼ「シンドラーのリスト」や「マイノリティー・レポート」辺りにあると述べています。それ以前は、“アメリカン・ニューシネマ的な撮り方がされていて、逆光の場面がかなり多いのに、影が黒くならない”のに対し、ヤヌス・カミンスキーが撮影を担当するようになって以降は、光よりも影を重視するようになり、画面が全体的に黒っぽくなったというのです。なるほど、確かに最近、「ミュンヘン」などをみて、画面の感じが以前のスピルバーグのものとはずいぶん違うと感じていましたので、この蓮實氏の発言は大変興味深かったです。

ということで、あまり内容はありませんが今日はこれで終わります。
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