MY LIFE AS A DOG

ワイングラスの向こうに人生が見える

ギュンターグラスのこと

2006年08月15日 04時21分22秒 | 雑感
ドイツのノーベル賞作家、ギュンターグラス氏が、先のインタビューで第二次大戦中にナチス親衛隊(SS)に所属していたことを告白した。
ノーベル賞返還要求も=G・グラス氏の「親衛隊告白」-独

今まで、彼の著作および発言から少なからず影響を受けてきただけに、今回の告白には正直かなり動揺した。

これに関して思うことはたくさんあるが、今はその余裕がないので、日を改めて何か書こうと思う。

ということで、今日はグラスに関する最近のくだらない思い出をひとつ。

ヒューストンに来たばかりの頃、あるスイス人夫妻のお宅に招かれた際、夕食をいただきながら自分達の故郷の話しになった。
その時スイス人の旦那さんが「いま私の両親の住んでいるポーランドのグダニスクが自分の第二の故郷だと思っている」という趣旨のことを言った。
僕が「グダニスクは歴史があってとても美しい町ですね」というと
彼は「そうだろ?そうだろ?」といってずいぶんうれしそうだった。
「君はグダニスクに行ったことがあるか」と訊くので
「ない」と答えると、
「では、なぜそれを知っているのか?」と。
「ギュンターグラスの“ブリキの太鼓”の舞台ですから」というと、
彼はたいそう面食らった様子で、
「おどろいた。日本人でもグラスを読んでる人がいるんだなー」と言った。

僕は内心「なんでそこまで驚かれにゃならんのかい?」と思ったがそんなことはおくびにも出さず、彼の、おそらくは全く他意はないであろう、発言を、どことなく居心地の悪い思いで、へらへらと愛想笑いを浮かべつつ聞くしかなかったのである。

おわり。

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