昨日、留学中に大変お世話になった先生と久しぶりに再会いたしまして、「最近ブログ更新してないねー」と言われました。なかなか以前のようにじっくり腰を落ち着けて文章を書いている暇がないので、今日は最近読んだ(あるいは現在読んでいる)本の感想などをつれづれなるままに書いてみることにします。
まずはこれ。
松岡正剛氏のベストセラー「17歳のための世界と日本の見方」の続編。
世界史をまともに勉強したことがないので大変勉強になりました。特に、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、仏教などさまざまな宗教の成り立ちと、それぞれの宗教の持つ思想、そして、その思想の違いゆえに繰り返される宗教紛争のお話、さらには自由主義、資本主義についてのお話など、複雑怪奇な現代社会を読み解くために必要な濃密な知識がふんだんに詰まっています。前作「17歳のための世界と日本の見方」とともに読むとさらに知識が深まります。
そして、次はこれ。
東京理科大の経済学の先生が書いた靖国問題の本。
この本の帯に書かれている宮崎哲弥氏の書評が本書の価値を見事に言い表しているように思います。
『「靖国問題」を主題とする本は数多(あまた)出版されているが、特定イデオロギーに染め抜かれた、「内輪」向けの論考ばかり。読むに値しないものが殆(ほとん)どである。断言するが、近年上梓(じょうし)された夥(おびただ)しい靖国関連書のなかで、読むに足る内容を備えているのは本書のみである。』
スペインの哲学者オルテガ・イ・ガゼットによる大衆論。
本書の書き出しはこうである。
「今日のヨーロッパ社会において最も重要な一つの事実がある。それは、大衆が完全な社会的権力の座に登ったという事実である。大衆というものは、その本質上、自分自身の存在を指導することもできなければ、また指導すべきでもなく、ましてや社会を支配統治するなど及びもつかないことである」。
現代社会を生きてゆくにあたって、この“大衆”という得体の知れぬ化け物の正体を一度は見極めておく必要があるように思います。
そしてこれ。
『戦前の少年犯罪』という本。
昨今、評論家連中がこぞって“少年犯罪の凶悪化”を叫んでいますが、本書の著者は、戦前にも、現代と同様かあるいはそれ以上に陰惨な少年犯罪の事例はいくらでもあったのだ、と実際の新聞報道などをもとにその背筋も凍るような戦前の少年による凶悪犯罪の数々を発掘して解説を加えています。世間一般が警察統計の恣意的なレトリックに嵌まり込んでしまいがちな昨今、こういった本の存在は大きいと思います。
最後にこれ。
青山学院大学の分子生物学の先生が書いた本。
非常に売れているそうです。
『生物とはなにか』という疑問に対する筆者なりの結論と、そこに至るまでの科学的考察が、気概に満ちた美しい文体でつづられています。一気に読み終えました。分子生物学の知識がなくても雰囲気は十分伝わると思います。面白い本です。
ところで、最近発刊された日経メディカルを読まれましたか?U氏の記事が載っていましたが、内容にびっくりしました。ご存知でしたか?ご存じなければ、後ほどメール致します。
お元気でしょうか?
>>日経メディカルを読まれましたか?
いえ、読んでおりません。
でも、どういう内容だったかはなんとなく想像できます。しばらく前にご本人から直接メールを頂きましたので。たぶんその話かと・・。
ちなみに、松岡正剛氏の本。とっても面白いですよ。できれば「17歳のための世界と日本の見方」と一緒に読んでみてください。大変勉強になります。うんちくネタ集めにはもってこいの本かもです(笑)。