MY LIFE AS A DOG

ワイングラスの向こうに人生が見える

警察庁長官を撃った男

2012年09月17日 15時53分19秒 | 読書
夏季休暇中に読んだ一冊。非常にスリリングで面白かった。

「警察庁長官を撃った男」鹿島圭介著


1995年3月。日本中を震撼させた国松長官殺害未遂事件。
しかし、警察の必死の捜査にもかかわらず、とうとう2010年3月に迷宮入りを迎えてしまう。

何にも知らない僕は、この本を読むまで、「この事件はオウムの仕業であると認められる」とした警察発表(ちなみに、ここでいう警察とは「公安警察」のこと)をずっと鵜呑みにしてきた。

ところが、なんとなんと、警察が威信をかけて、10年以上もの期間をかけて、おびただしい数の捜査員を動因して、死に物狂いで遂行してきた挙句、ついに犯人を挙げることが出来ずに捜査を終息せざるを得なかったその陰には、驚愕の、というかある意味ひたすら“お粗末な”真相が隠されていたのである!

この本を読了して、もはや怒りを通り越して、開いた口が塞がらない。

少なくとも、警察は、国松元警察庁長官殺害未遂事件に関わっていたことが明々白々である(オウムとは全く無関係の)男の存在を突き止めていた。ところが、早い話「いまさら、オウムとは何の関係もありませんでしたなんて言えないだろう」という理由から、この男の存在を黙殺したというのである。

こんなことがあっていいのか!!と義憤に駆られて、思わずブログを更新してしまったが、まあ、考えてみれば、

自己保身、面子、組織防衛。。。。

どんな組織であっても、結局、所詮人間のやることなんて、どこへ行っても、おんなじなのだなー。

という諦念だけが残る一冊。

是非ご一読を!
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