明海大学大学院応用言語学研究科

Meikai Graduate School of Applied Linguistics

2018年度を振り返って

2019年03月30日 | 院生運営

 2018年の春、私は明海大学大学院に入学し、ちょうど1年が経過しました。

 この一年を通じ、大学院生と学部生の違いがだんだん明らかになってきました。

 大学院生にとって重要なのは自主性です。学部生のときのように、先生の指示を待ち、それによって何をするのではなく、自ら何をするべきか決め行動していくことが大事です。いうなれば大学院生とは、学生というより社会人に近いものではないでしょうか。

 また講義に関しては、応用言語学特論を受講したことがとても印象に残っています。

 応用言語学特論では応用言語学研究科に在籍なさっている先生方のそれぞれのご研究について伺うことができました。この講義で私たちの専門領域となる応用言語学が、言語のそのもののみを研究対象とし取り扱うのではなく、人間の社会行動、心理、文化、コンピュータ、脳などいろいろ範囲にも関連があり、研究の枠組みとして取り入れていく必要性があることを再認識しました。

 現在第二言語として、日本語を学習する人が年々増加してきています。日本語学習者が話す日本語において、意味そのものは通じるが、気持ちが通じない場合があります。その原因のひとつは異文化のではないかと私は考えています。

 例として、電車内で「ABの足を踏んだ」という事実があるとします。日本語の場合、「Bが足をAに踏まれた。」と動詞の受身形を使うことが多くみられます。一方中国語の場合、受身形を使用せず「ABの足を踏んだ」(AB的脚)という用法が多く使われる傾向があります。

 ただいまご紹介したように、日本語と中国語では同じ出来事であっても言い方が異なります。そして、ときにこの異なりが一因となり、中国人は気が強いと日本人に思われがちのようです。しかし、中国の文化から考えれば、気の強さの表れという要素はありません。

 これは異文化と言語の関連性によって生じる問題であり、先ほど述べたような「意味そのものは通じるが、気持ちが通じない」原因の一つではないでしょうか。

 この1年、さまざまな講義を受講し、「言語」の世界に浸り、これから本気で論文執筆に取り組んでいきたいという気持ちが湧いてきました。

 「よし、やるぞ!」

 末筆になりましたが、例年通り翌月から、ブログ更新は博士前期課程の新一年生が担当することになります。そのため、私が担当するのは今回が最後になります。1年間ご覧くださった皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。(M2 陳玲)



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