ちょっとテレビを付けると、菅元官房長官が総理大臣になるということで、菅氏の成功物語、出世物語を演出している。
テレビというのは、ジャーナリズムの精神などなく、あくまでエンターテイメントでしかないので、そういうものとして諦めつつ、腹立たしいというか。
貧しい農家の出で、苦学して、縁の下の力持ち的な人格として編集され、ついには総理大臣にまで登りつめる。みなさん、そういう物語が好きなんでしょうか?
まあ、大した苦学なんかしてもいないと思うし、縁の下っていうか、お上手な処世術って言い換えることもできるし。
僕の菅官房長官の印象は人の言葉を受け取らないという印象でしかない。安倍総理は人の言葉に興奮し、訳の分からない返しをしていて、なんて言葉を大切にしない政治家なんだろうと思っていた。国会が言論の場であるという本質が喪失していた。
菅長官で思い出すのは、記者会見で東京新聞の望月記者に「あなたに答える必要ありません」と答えたことだ。
(参考)https://www.youtube.com/watch?v=E3vw4vdRUWQ
日本の報道やネットの意見では菅長官よりの声が多かったが、NYタイムズなど海外メディアでは「独裁政権のよう」と非難されていた。
記者会見がなぜ行われるのか、その意味は政府が国民に政策等について説明する場所であり、国民が直接質問できないので、代わりに報道機関が行うということだ。つまり記者会見は国民への説明、知る権利のために存在している。記者の後ろには国民がいるということだ。
だから記者の質問を国民の声だとして、真摯に応えなければならない。特に権力である政府は。政治の常識である。
ちなみに明治に記者クラブが作られた理由も同様である。いまでは、政府からの「お言葉を頂く場所」に成り下がっているが。
しかしながら、菅長官は記者の質問にきちんと答えないどころか、「あなたに答える必要ありません」と無視さえした。また森友・加計・桜問題でご飯論法を繰り返した。
結局、言葉を大切にしない政治が続くのでしょうね。その意味で、安倍レガシーの継承だ。