Drマサ非公認ブログ

はじめて入院した19

 リハビリが始まると、血圧も下がって来た。リハビリ4日目ぐらいだったろうか、血圧120となる。ただ安定しているわけではない。急に170になったりもする。僕としては、身体が十分に回復しているわけではないが、特に症状が何か出ているわけではないので、安心している。

 ただ看護師、理学療法士らはとにかく血圧のことを常に気にかけている。私は密かに血圧絶対主義と名付けておいた。彼らは常に血圧計を首に巻いて仕事をしている。心臓専門の病院だからでもあるが。

 色々な本やネットの情報を見てみると、血圧に関する知見は一定しているわけではない。日本の現状では、つまり厚生省のような権力が規定する血圧の正常値があるが、陰謀論めいたものも含め、異なる知見も見かける。その中には説得的な知見もあり、調べ始めると何が正しいのかよくわからないのではないかと思う。

 しかし、医療従事者であれば、権力が規定する血圧に対する考えを学び、そこから生成される知識や技術を自明してしまうものだろう。ある意味で、パラダイムを構成しているわけだから、その外に出ること自体が難しいし、このパラダイムに即した知見以外を排除するような知を形作る傾向を有することだってあるだろう。ただ健全な懐疑程度は持っておいたほうがいいとは思う。

 リハビリは4日目になると、病棟2周になる。おおよそ300メートル歩くわけである。快適である。正直に言えば、楽しみの時間である。1つには身体を動かす楽しみ。2つには歩きながら風景を観る楽しみである。

 病室から出られないでいたのが、ストレスだとは意識してはいなかった。ただ病室を出て、ほんの少し、病室とは異なる空間、ACCUおよびCCUの様子や人々の動き、いくつかの窓から眺められる病院の様々な施設や外の景色が目に飛び込んでくると、視界が広がることと同時に、気持ちがパッと開けてくるようであった。

 入院して10日目の夜、9時ごろだったろうか、担当看護師がベッドサイドまでやって来て、「申し訳ないんですが、部屋移動します」と告げてきた。

 一般病棟に移動するというのだ。なぜこんな夜にと思ったのだが、看護師が言うには、救急搬送された患者2名をACCUに入院させなければならないのだが、1床しか空いておらず、どこか1床を急遽空けなければならなくなったと。そこで一番状態のいい私を移動させようと、今医者からの指示があったと言うのだ。

 もちろん構わないのだが、一般病棟に移動できる状態なら、もっと早く移動させればいいのにと心の中で呟いた。そこから私の移動のために見たこともない看護師がやってきて慌てて移動の準備をしている。当初車椅子で移動という話だったが、ベッドをそのまま移動させることになった。ベッドにはACCUの印がついたままだった。

 9時30分ごろだったろうか、一般病棟に移動となった。いやあ、ホントバタバタである。私はベッドで寝ているだけだが、医療スタッフは大変だ。夜入院なんかしたら迷惑だなあと思いながらも、10日前の自分もそういう想いをさせていたのに、そんなことも気にかけずにいた。

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