中国船が尖閣諸島近くに侵入しているとの報道が続いた。
ちなみに中国船が日本領海内で航行しても問題ない。日本領海内で日本の資源を奪ったり(つまり漁業)、軍事的行動(情報収集も含む)をしてはいけない。ちなみに接続水域では、中国船が漁業しても問題がない。通常の国際法的に問題ない。公海と同様になる。ましてや接続水域では日本の法令は中国に適応されない。中国公船が尖閣諸島付近を航行しても国際法上問題はない。
国際法的には常識だ。それが問題あるかのように報道するマス・メディアは問題である。脅威を煽っているだけだ。
2014年11月には安倍首相と習近平国家主席は首脳会談を行い、関係改善に務めた。その内容で注目すべきことは、尖閣諸島とは直接言及しなかったが、両国の間で領土に関して「異なる見解」があることを双方が確認している。
当時の新聞は安倍首相が習近平国家主席をあたかも返り討ちしたかのような報道であったと記憶しているが、今で言うフェイクニュースであった。
それまで日本は両国間に領土問題はないとして来た。実質尖閣は日本の実効支配がなされてもいたからだ。「異なる見解」を双方認めたということは、中国からして、この問題では前進したかのような印象を受けるだろう。
この時中国との経済関係の強化を約束しているので、安倍首相は実質的な利益を取ったことになる。この首脳会談では、尖閣と靖国の問題が取り上げられているが、1番のテーマは経済交流であったということだ。
一応中国としては、尖閣を自国領と主張している。日本も自国領としている。そこで見なければならないのは、中国が尖閣諸島を実効支配したり、勝手に漁業したりしているかということになる。
その上で中国領海内であるとの中国の立場からは、中国船が漁業しても中国の法律的には問題ないことになる。さらに国際法上(国連海洋法条約)や日中漁業協定にも違反していないことがわかっている。
日本は領海法がないので、国際法に準拠する。ちなみに中国には領海法がある。さらに中国も米国統治下の沖縄が尖閣の領有権の決定権があることを認めている。そのため、中国は自国領との立場を表面上は取るが、国際法上は沖縄決定権を尊重しているので、南沙諸島のような強引な手法は取らないでいる。
ゆえに中国船が尖閣領内に入ってくる程度で、その都度追い出されているし、中国当局も日本船を取り締まることはない。その意味で、暗黙の了解(領海)だ。韓国との間で問題となっている竹島と違って、中国は実行支配の意志はないと見ていいだろう。
民主党政権下で尖閣の国有化を見せたが、安倍政権でそれ以前に戻ったわけだ。ちなみに先の首脳会談で、日中防衛当局にホットラインが設置されている。現在は海空連絡メカニズムに進化している。両者衝突はしないとの意志確認からの設置である。
皮肉なことにと言っていいのだろうか?これが安倍首相のレガシーではないだろうか?