敬愛する数学者岡潔先生は、日本人の本質なるものを思いやりであるとしている。
大切なのは思いやりを持つ心。この日本人の善性は確かに強調されるところがある。スポーツ観戦に行ってゴミをかたずけるとか、大地震であってもモノを盗まないとか。まあ反対に悪質な事例もあるにはあるが、日本人の礼儀正しさ、規則遵守精神が強調される。
僕もきっとそうなんだろうな、と思ったりする。と同時に、集団主義的になると、おかしなことも起きるとも思う。
例えばワクチン摂取の世界状況。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/world_progress/
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/world_progress/
これはNHKのデータであるが、他国と比較すると、中国を別にして、日本だけが何度もワクチンの摂取に積極的であったということが言えそうだ。もちろん、これだけのデータから断定はできないのだが、3度目以降の摂取はそれほど積極的とは言えなかった、ということは言えそうだ。
ちょうど2022年8月は僕自身がコロナに罹患した時期だが、その時期以降もグラフは右肩上がりである。この頃日本は3度目のワクチン摂取が必要とPRされた時期ではなかったかと思う。
日本ではワクチン摂取3回目もそれ以上も、何と無く良いことのように受け取られていた、そして、多くの人たちが摂取したという事になる。僕はどうしてもニーチェの善人を思い出してしまう。安易に信じ、行動する人たち。哲学者の中島義道に『善人ほど悪い奴はいない』という本があったが、そんなことを思い出す。
現在ネットではワクチン被害が指摘されたり、事実であると主張するものもあるし、研究者が告発するようなものもある。岡潔の言う思いやりは、現在の日本人には思いやりとしてあるのではなく、何となく安心安全を得るための行動として形骸化している、そんな気がしている。
つまり他者のことが先で、自分は後ではなく、他人のことを思いやることではなく、自分のことが先になっている、そんな社会に日本はなっているのだろうと思ってしまう。