Drマサ非公認ブログ

大阪都構想、どうにか否決

 大阪都構想住民投票は賛成反対が拮抗したが、どうにか反対多数で否決された。前から維新は香具師みたいだと見ていたので、ホッとした。

 否決となった要因について見てみよう。

 まず地元大阪の自民党支持層が反対多数である。管政権と維新は手を結んでいると見ていたが、地元が反対となったということで、自民党自体からの都構想推進とはならなかった。無党派層は60%以上反対であった。自民党支持層と無党派層が最大の“勢力”であるから、訴求力がなかった。

 次にメディア。テレビや新聞は維新の会のPR色が強かったように思われる。テレビで大阪都構想の問題を取り上げれば、維新の人たち、つまり松井市長、吉村知事、ついでに橋下維新の会法律顧問など有名人でもある彼らがテレビでPRに余念がなかった。反対派は立民、共産などであるから、テレビ出演があっても、そのPR力は弱い。

 ラジオやネットでは維新や大阪都構想の問題点がよく提示されていた。京大教授の藤井さんやれいわ新撰組などが的確な情報を提示していたと思う。

 テレビの賛成派対ラジオとネットの反対派という構図であるから、テレビの影響力、PR力の方が大きいと考えていたのだが、そうはならなかった。テレビという体制派のメディアとラジオやネットという体制に組み込まれきれていないメディアに対して、市民がどちらの情報と親和的なのかが垣間見えるような気がする。メディアの動員の問題だが、まだ早計な判断だとも思う。大阪という1地方都市の問題であったから。

 気になるのは世代別投票割合である。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201101/k10012691441000.htmlより

 30歳代を中心に賛成多数が多い。いわゆるロスジェネ世代にかなり重なっている。この世代がどのような考えで賛成に投じたのかは不明であるが、閉塞した社会状況をなんでもいいから変えてくれという程度での動機で投票しているとの予想ができる。他の世代はおおよそ反対傾向が大きかったので、都構想の問題点を理解しているとみなせる。

 社会的に不遇な世代が改革や勢いのある方、あるいは体制側に向かうのはわかりやすい。体制が改革を訴える手法である。安倍元総理もこの世代からの支持が高かった。この投票から見えて来るのは、不合理な大阪都構想に対して、不合理であることからの選択ではなく、不遇さという状況による選択なのではないだろうか。とすると日本社会の問題が見えてくる。実際にネットの情報を多く参照できる世代が彼らであるわけだが、賛成に投じているので、反対派の動画や記事をあまり見ていないか、重要であると認識する基盤が喪失しているか、どちらかである。

 ちなみに男性が賛成票多数であるが、女性は反対票多数である。どうもここらに日本社会のありようを生活実感から判断できるのは女性の方ではないかと思ってしまう。

 どうにか反対となったことで、少しホッとしたのではあるが、先に挙げたロスジェネの問題が気になる。加えて、管さんが維新と手を結んでいるのではなく、手を結んでいると見せかけているとすれば、なんかこわい気がする。

 ちなみに維新は保守政党とみなされるが、「改革!改革!」と声だかに叫び続けているので、革新政党と言っていい。その革新の中身は自民党や権力側に付いているので、日本社会での支配的な基盤に即しているという点で、保守に見えるということだろう。つまりは大阪版自民党右派である。

 大阪都構想というイメージを先行させ、本当は大阪市を解体するという事実が後退する、そんなPR戦略に香具師の口上を僕は見ていたのだが、どうにか一歩踏みとどまった。香具師の口上はエンターテイメントなら楽しいものだ。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「社会」カテゴリーもっと見る