以前原発汚染水に関して、当ブログで言及した。その際、某ブログ主さんからコメントをもらった(一応某ブログさんとさせていただく)。そこで指摘されていたことを”おおよそ”確認できたので、ここで記述しておく。
趣旨としては、原発の溶融物を冷やすのに水を投入し続けてきたのだが、実は空冷でも可能である。
東芝の原発技術者であった後藤政志さんの文章を読む機会があった。ネットにも一部出ていて、インタビュー形式であるが、参照した。
.原発は破綻した技術である(後藤政志 工学博士) 季刊『社会運動』2018年1月【429号】特集:あれから7年、福島の現実 市民セクター政策機構
このような記載がある。一部引用させてもらう。
「いまは、建物の中に水を循環させて溶融物を冷却しています。水には遮蔽効果があるので、周辺の線量が下がりますが、大量の汚染水が生まれます。これを空冷にすれば、汚染水も出ませんし、管理も楽になります」
「そこで私は無理に溶融物を取り出さず石棺にして空冷にするのが、一番いいのではないかと思っています。空冷にした場合、チェルノブイリ原発は建物全体が汚染されていましたが、福島第一原発の場合は石棺にするべき箇所が多少限定されているので、石棺の規模は小さくて済むものと思います」
チェルノブイリのように石棺にする必要があるとはいえ、水を入れなくてもいいので、他国との間にというか、国際的に非難を浴びるような汚染水の海洋放出をする必要がないということになる。そういえば、原発事故直後に空冷の話を聞いた記憶がかすかに蘇る。
問題は、このような技術的な方法があるにもかかわらず、マスメディアは沈黙し、政府の方針のP Rをするばかり。当然政府もわかっているはず。我々がこの方法を知らなければ、具体的な批判することが遠ざかる。
もう50年も前になるけれど、ドイツのメディア論者エンツエンスベルガーが、メディアが「中立的な媒体」ではなく「共犯的な媒体」であると思考の変換を促したが、まさにその通りなのだろう。
とはいえ、ネットやS N Sに問題があるのを前提としておくも、新しい技術によって、専門知を知るきっかけになるであろうことは事実のようだ。一応知ったかぶりすることは控えておくとして。
マスメディアは誰との共犯関係であるのか?一般国民ではないことだけは確かである。