ここのところ新型コロナの新規感染者数が減少傾向である。
どんどん減少してほしいものだ。関西圏では知事たちが緊急事態宣言解除を政府に申し入れるらしい。政府も2月いっぱいで解除する方針のようだ。
知事たちと政府は申し合わせたように、同じ方針になっている。地方自治体が政府にお願いする形式は、どこかパターナリズムの匂いがする。申し合わせが出来ているとしたら、そういうマネジメント方法からの脱却が出来ないのだろうかと、そんなことを感じたりしている。
ここでは、そういう話をしたかったわけではなかった。新規感染者数の減少の理由についてだ。
緊急事態宣言の効果で、減少したのだろうか。そうだとすると、街に出る人の数はそれほど減っているように見えないし、携帯電話の情報をもとに街の人出調査を見ると微減でしかない。そうすると、緊急事態宣言の効果なのか疑問になる。
医療ガバナンス研究所の上昌広医師によると、減少の理由は自然であるという。新型コロナもまたコロナウィルスであるが、このウィルスは季節により流行期が決定する要因が強い。
僕たちが通常風邪という時、コロナウィルスが原因である。このウィルスは夏場に流行、そして冬場に大流行する傾向がある。昨年夏場の新型コロナの流行は、いわゆる例年夏風邪の流行時期と重なる。
新型コロナの11月以降の流行は、1月に流行のピークを示したが、これは通常コロナの、いわゆる風邪の流行と重なる。そして2月に減少傾向に。
つまり上医師によると、今回減少傾向を示したのは、新型コロナウィルスも通常の風邪と同様、季節要因で増加時期が決定する要因が大きいということである。人間の努力で減少したのではなく、自然の力であったということだ。
ちなみに上医師はGo to Travelのせいで、感染者が増加したともいう。流行期が過ぎても、新しいウィルスは感染者が生じる。そうすると、この冬場の流行期を過ぎて、Go to Travelを再開すれば、当然感染者はまた増加していく。そして夏場の流行期へと向かう。
一応グラフを見ると、夏場の方が感染者数は少ないのだが、Go to Travelのような人為的に増加傾向に加担するような政策をとれば、夏場にまた感染のピークがくる。
そして、冬にもまたピークが来ることになるので、人間ができることは“我慢”とワクチンということになる。ただワクチンの有効期間は数ヶ月とか半年であるから、最大の戦略は“我慢”なのだろう。
どこで新型コロナが落ち着くのかは、自然現象に近いのかもしれないと感じている。