Drマサ非公認ブログ

コロナでどのような社会変動が生じるのだろう?

 中世のペスト(黒死病)でヨーロッパの人口は激減した。イングランドでは3分の1になったと推定されている。

 労働力である農奴の人口も減った。領主は農奴の地代が収入源である。そのため、領主は少なくなった農奴を優遇する。結局地代はやすくなり、豊かな農奴が出てくることから、農奴という身分自体が揺れ始める。

 ちょうど貨幣経済が発達してきた頃であった。そのため都市の商工業者たちはもともと嫌いであった封建領主の手の届かないところで、貿易や商売に精を出す。そして、その儲けを国王に渡し、保護を求めた。国王にとっても都合がよかった。封建領主とは無関係に商工業者から得た財力を使い独自の軍隊を発展させる。

 封建領主は発達する貨幣経済に付いていけず、徐々に没落して行く。国王の力が強大になっていく。

 中世のペストは上記のような社会変動を起こすきっかけとなった。

 今回のコロナではどのような社会変動がもたらせられるのだろうか。

 現代社会はすでに生活物資に関していえば、十分な生産能力を持っていると思う。確かにコロナで格差が広がるとの問題はある。しかしながら、それは生活物資を供給するために果たすべき政治が下手くそだからにすぎないように思われる。コロナ下で贅沢品を望む人間はなんかおかしい。

 テレビを見ていたら、ロックダウン明けのロンドンでデパートに人々が殺到していた。久しぶりにデパートにある魅力ある商品を前にして浮き足立っているようだった。

 生活必需品ではなく、このような記号化された商品、あるいは贅沢品に魅了されている人々のありよう、消費を美徳とすることに対して、僕は隠れて“産業化された欲望”と名付けている。

 コロナでこういう近代の欲望を肯定する幸福感は変質するのだろうか?そんなことを想像したりしている。

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