室蘭でも放射性の廃炉金属の、再利用を目的にした加工実験が行われましたので
他人事とは思えないニュースです。
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NPO法人 原子力資料情報室
https://cnic.jp/39163?fbclid=IwAR1e3u0-peI5SdWP1Ukwt-0OuKcOhdf5acrDwoKXthhUsf9EBcegOZURbhM
原子力発電に伴って発生する放射性廃棄物の後始末を容易にするために「クリアランス」という制度が設けられている。キログラムまたはリットル当たりの放射能量が定められたレベルに満たないものを、放射性廃棄物としての規制から外すことである。規制から外したところで、ほんらい放射性廃棄物であることに変わりはない。
原発の廃止措置が進められる中で大量に発生するクリアランスレベル未満の廃棄金属の一部がこれまでに溶融され、ベンチの脚などに加工されて電力会社の社内や原発PR施設に「再利用」の見本として配置されてきた。クリアランス制度では、法的には再利用に何の制限もなく飲料の缶や乳児のベッドにでも利用することができる(フリーリリース)が、制度の導入に当たって電気事業連合会は「制度が定着するまでの間は業界内でのみ再利用する」と約束していた。業界内での利用が一般の人の目にも触れクリアランスについて認知されるように、いわば業界の内と外の境界付近に設置してきたと言える。
それをさらに進めて、大学や高等専門学校、高校にまで広げていることを、5月14日付電気新聞の記事で知った。記事には、こう記されている。
「日本原子力発電は、原子力発電所の解体で発生したクリアランス金属の再利用品を福井県内各所に設置する取り組みを進めている。福井県は、クリアランスへの理解促進などを掲げた『嶺南Eコースト計画』を2020年3月に策定。原電は同月以降、県内の教育機関や研究機関など計7カ所にクリアランス金属再利用品を設置しており、今後さらに設置先を拡大していく計画としている。
今年4月には、高レベル放射性廃棄物の処理を巡る問題や電源三法交付金など原子力をテーマとした授業を行っている福井南高等学校(福井市)に、廃止措置中の東海発電所で発生したクリアランス金属を再利用したベンチを設置。[中略]
原電は同計画策定以降、福井市内の福井大学文教キャンパスと福井工業大学、鯖江市内の福井工業高等専門学校、敦賀市の福井大学敦賀キャンパスと若狭湾エネルギー研究センター、日本原子力研究開発機構アトムプラザにもクリアランス金属再利用品を設置している」
「嶺南Eコースト計画」には、「デコミッショニングビジネスの育成」の一環として「クリアランス制度の社会定着に向けた理解促進活動を推進」と、露骨に意図が示されている。そうした目的のために放射性廃棄物を再利用したベンチを配置し、生徒代表に「原子力にまつわる議論がより身近に感じられ、対話の輪がより一層広がると思う」とあいさつさせることは、決して許されることではない。
こうした動きには、もちろん、4月14日に総合資源エネルギー調査会原子力小委員会でまとめられた議論整理で「将来的なフリーリリースを見据え、クリアランス制度の社会定着に向けた今後の取組を具体化させる」とした経済産業省資源エネルギー庁が指導的役割を果たしている。資源エネルギー庁は福井県の「嶺南Eコースト計画推進会議」にも出席し、そのための予算措置などを説明している。
そもそも放射性廃棄物の規制を、クリアランスレベルに満たないとして解除することに私たちは反対している。レベルの根拠にも解除の方法等にも大いに問題があり、クリアランスはおこなうべきではない。ましてやその宣伝に教育の場まで巻き込むことは決して許されない。政府、電気事業連合会、日本原子力発電、福井県に対し強く抗議する。
他人事とは思えないニュースです。
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NPO法人 原子力資料情報室
https://cnic.jp/39163?fbclid=IwAR1e3u0-peI5SdWP1Ukwt-0OuKcOhdf5acrDwoKXthhUsf9EBcegOZURbhM
原子力発電に伴って発生する放射性廃棄物の後始末を容易にするために「クリアランス」という制度が設けられている。キログラムまたはリットル当たりの放射能量が定められたレベルに満たないものを、放射性廃棄物としての規制から外すことである。規制から外したところで、ほんらい放射性廃棄物であることに変わりはない。
原発の廃止措置が進められる中で大量に発生するクリアランスレベル未満の廃棄金属の一部がこれまでに溶融され、ベンチの脚などに加工されて電力会社の社内や原発PR施設に「再利用」の見本として配置されてきた。クリアランス制度では、法的には再利用に何の制限もなく飲料の缶や乳児のベッドにでも利用することができる(フリーリリース)が、制度の導入に当たって電気事業連合会は「制度が定着するまでの間は業界内でのみ再利用する」と約束していた。業界内での利用が一般の人の目にも触れクリアランスについて認知されるように、いわば業界の内と外の境界付近に設置してきたと言える。
それをさらに進めて、大学や高等専門学校、高校にまで広げていることを、5月14日付電気新聞の記事で知った。記事には、こう記されている。
「日本原子力発電は、原子力発電所の解体で発生したクリアランス金属の再利用品を福井県内各所に設置する取り組みを進めている。福井県は、クリアランスへの理解促進などを掲げた『嶺南Eコースト計画』を2020年3月に策定。原電は同月以降、県内の教育機関や研究機関など計7カ所にクリアランス金属再利用品を設置しており、今後さらに設置先を拡大していく計画としている。
今年4月には、高レベル放射性廃棄物の処理を巡る問題や電源三法交付金など原子力をテーマとした授業を行っている福井南高等学校(福井市)に、廃止措置中の東海発電所で発生したクリアランス金属を再利用したベンチを設置。[中略]
原電は同計画策定以降、福井市内の福井大学文教キャンパスと福井工業大学、鯖江市内の福井工業高等専門学校、敦賀市の福井大学敦賀キャンパスと若狭湾エネルギー研究センター、日本原子力研究開発機構アトムプラザにもクリアランス金属再利用品を設置している」
「嶺南Eコースト計画」には、「デコミッショニングビジネスの育成」の一環として「クリアランス制度の社会定着に向けた理解促進活動を推進」と、露骨に意図が示されている。そうした目的のために放射性廃棄物を再利用したベンチを配置し、生徒代表に「原子力にまつわる議論がより身近に感じられ、対話の輪がより一層広がると思う」とあいさつさせることは、決して許されることではない。
こうした動きには、もちろん、4月14日に総合資源エネルギー調査会原子力小委員会でまとめられた議論整理で「将来的なフリーリリースを見据え、クリアランス制度の社会定着に向けた今後の取組を具体化させる」とした経済産業省資源エネルギー庁が指導的役割を果たしている。資源エネルギー庁は福井県の「嶺南Eコースト計画推進会議」にも出席し、そのための予算措置などを説明している。
そもそも放射性廃棄物の規制を、クリアランスレベルに満たないとして解除することに私たちは反対している。レベルの根拠にも解除の方法等にも大いに問題があり、クリアランスはおこなうべきではない。ましてやその宣伝に教育の場まで巻き込むことは決して許されない。政府、電気事業連合会、日本原子力発電、福井県に対し強く抗議する。