室蘭住民のブログ

室蘭の住民による、環境系ニュースのアーカイブ。日付が後追いになる場合もあります。リンクフリー。

■【原子力資料情報室声明】(2021.5.25)放射性廃棄物再利用ベンチの高校等への設置に抗議する

2021年05月26日 22時29分00秒 | 原発廃炉金属
室蘭でも放射性の廃炉金属の、再利用を目的にした加工実験が行われましたので
他人事とは思えないニュースです。
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NPO法人 原子力資料情報室
https://cnic.jp/39163?fbclid=IwAR1e3u0-peI5SdWP1Ukwt-0OuKcOhdf5acrDwoKXthhUsf9EBcegOZURbhM

原子力発電に伴って発生する放射性廃棄物の後始末を容易にするために「クリアランス」という制度が設けられている。キログラムまたはリットル当たりの放射能量が定められたレベルに満たないものを、放射性廃棄物としての規制から外すことである。規制から外したところで、ほんらい放射性廃棄物であることに変わりはない。

原発の廃止措置が進められる中で大量に発生するクリアランスレベル未満の廃棄金属の一部がこれまでに溶融され、ベンチの脚などに加工されて電力会社の社内や原発PR施設に「再利用」の見本として配置されてきた。クリアランス制度では、法的には再利用に何の制限もなく飲料の缶や乳児のベッドにでも利用することができる(フリーリリース)が、制度の導入に当たって電気事業連合会は「制度が定着するまでの間は業界内でのみ再利用する」と約束していた。業界内での利用が一般の人の目にも触れクリアランスについて認知されるように、いわば業界の内と外の境界付近に設置してきたと言える。

それをさらに進めて、大学や高等専門学校、高校にまで広げていることを、5月14日付電気新聞の記事で知った。記事には、こう記されている。

「日本原子力発電は、原子力発電所の解体で発生したクリアランス金属の再利用品を福井県内各所に設置する取り組みを進めている。福井県は、クリアランスへの理解促進などを掲げた『嶺南Eコースト計画』を2020年3月に策定。原電は同月以降、県内の教育機関や研究機関など計7カ所にクリアランス金属再利用品を設置しており、今後さらに設置先を拡大していく計画としている。

今年4月には、高レベル放射性廃棄物の処理を巡る問題や電源三法交付金など原子力をテーマとした授業を行っている福井南高等学校(福井市)に、廃止措置中の東海発電所で発生したクリアランス金属を再利用したベンチを設置。[中略]

原電は同計画策定以降、福井市内の福井大学文教キャンパスと福井工業大学、鯖江市内の福井工業高等専門学校、敦賀市の福井大学敦賀キャンパスと若狭湾エネルギー研究センター、日本原子力研究開発機構アトムプラザにもクリアランス金属再利用品を設置している」

「嶺南Eコースト計画」には、「デコミッショニングビジネスの育成」の一環として「クリアランス制度の社会定着に向けた理解促進活動を推進」と、露骨に意図が示されている。そうした目的のために放射性廃棄物を再利用したベンチを配置し、生徒代表に「原子力にまつわる議論がより身近に感じられ、対話の輪がより一層広がると思う」とあいさつさせることは、決して許されることではない。

こうした動きには、もちろん、4月14日に総合資源エネルギー調査会原子力小委員会でまとめられた議論整理で「将来的なフリーリリースを見据え、クリアランス制度の社会定着に向けた今後の取組を具体化させる」とした経済産業省資源エネルギー庁が指導的役割を果たしている。資源エネルギー庁は福井県の「嶺南Eコースト計画推進会議」にも出席し、そのための予算措置などを説明している。

そもそも放射性廃棄物の規制を、クリアランスレベルに満たないとして解除することに私たちは反対している。レベルの根拠にも解除の方法等にも大いに問題があり、クリアランスはおこなうべきではない。ましてやその宣伝に教育の場まで巻き込むことは決して許されない。政府、電気事業連合会、日本原子力発電、福井県に対し強く抗議する。

■【室蘭・廃炉金属】(2017,3,29)日本製鋼所室蘭製作所 処分容器の試作品 クリアランス金属使い/北海道

2020年06月11日 13時53分12秒 | 原発廃炉金属
毎日新聞2017年3月29日 地方版

日本製鋼所室蘭製作所(室蘭市)は、原発の解体廃棄物のうち放射性物質として扱う必要がないとされた「再利用可能(クリアランス)金属」を使った処分容器(内容器)の試作品を公開した。

 主な原料は、廃炉作業中の日本原子力発電東海発電所(茨城県)から出たクリアランス金属約60トン。耐久性を高めるために鉄くずな…
(ここからは有料記事)

クリアランス金属を使って造られた処分容器の試作品にふたをかぶせる作業員=室蘭市で
(写真)

■【室蘭・廃炉金属加工】(2019.6.11)廃炉原発 金属再利用の課題 NHKニュース

2019年06月12日 13時33分58秒 | 原発廃炉金属
【NHKほっとニュース北海道】2019,6,11

北海道NEWS WEBより

あなたはこのニュースを見て、どのようにお感じになりますか。

(こちらはテレビをスマホで録画したものです。画像は荒いです。字幕もつけられます。
https://www.youtube.com/watch?v=tj1D9GI-nHk)

06月11日 19時22分

東日本大震災での福島第一原発の事故をきっかけに見直しが進む原発。
国内の20基は廃炉が決定し、今「廃炉時代」を迎えています。
その廃炉を進める上で課題になるのが、金属やコンクリートなどの廃棄物です。
国は放射性物質をほとんど含まない廃棄物を再利用できる制度を設けていますが、ほとんど進んでいないのが現状です。
安全な再利用の道はあるのか、最近室蘭市で行われた再利用の試験を取材しました。

再利用を巡って、いま特に問題になっているのは原発で原子炉から比較的離れた部分に使われていた配管や機器などの金属部品です。
現在も年間約1000トンが排出され、これが廃炉が増える10年後には10倍にふくれあがると推計されています。
この金属は原発の廃棄物ではありますが、放射線の影響については人が自然界で受けるよりも低いものと法律で分類され、放射性物質によって直接汚染されている原子炉の部品などとははっきり区別されています。
しかし、原発から出たことで、不安を持たせかねないとして電力会社では慎重に取り扱っていてほとんどが原発の敷地に保管した状態で、このままたまり続ければ、廃炉自体が進まなくなると懸念されているのです。

国は、こうした放射性物質をほとんど含まない金属に対しては、一般の産業廃棄物と同じように溶かすなどして再利用できる「クリアランス制度」を設けています。
この制度で実際に安全な再利用ができるのか、国の委託を受けて室蘭市の室蘭市の日本製鋼所の工場でこのほど検証が行われたのです。
検証は実際に廃炉になった原発から出た金属を運び込み、平成29年度まで3年間行われました。
金属を溶かして原発の廃棄物を入れる容器に加工し、一連の製造工程で放射線の影響を測定しました。
その結果、環境に放出されたと考えられる放射性物質による影響は私たちが1年間に自然界から受ける放射線量の約66万分の1であることが分かりました。

(日鋼)担当者(中西英雄総務部長)は「ヨーロッパなどでは先行して運用されている制度で、日本ではさらに厳格な基準を設けていることもあり、安全だと認識している。もし事業として取り扱うということになれば、地元の理解を得ながら進めていく」と話しています。

一方で、市民の間には、ごく微量とはいっても放射線の影響は無視できないのではないかという声もあります。
室蘭市の市民団体「原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会」の大倉幸子共同代表は「ごく微量の放射線とは言っても、もし日常の生活の中にそうした再利用金属の製品が入り、長期間にわたって放射線にさらされたとき、本当に影響はないと言い切れるのだろうか。総量はなにも規制されていないのに安易に使い続けることは危険ではないのか。きちっとした情報を各段階で出し、市民が知ることができる、信頼できる形で出していただきたい」と話します。

廃棄物の受け入れ時期や作業内容など各段階ごとの情報を明らかにして、理解を得る努力をしてほしいとしているのです。

一方、廃炉から出る金属には有用で高価なものも多く含まれているので、理解を得たうえで再び活用すべきという指摘もあります。
金属のリサイクルに詳しい室蘭工業大学の清水一道教授は「非常に高額な元素がたくさん入っている以上、資源の少ない日本はそれを溶かして使っていった方が絶対にエネルギー的にも価格的にも有利だ。市民の理解を得て、情報公開を徹底しながら進めるべきだ」と話します。

これから多くの原発が廃炉を迎える中で、住民理解は喫緊の課題です。
国や電力会社も社会に定着するまでは慎重な取り扱いをしていくとしていますが、繰り返し丁寧な説明を行って理解を得ることが求められていると思います。

(種川記者)

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市民の会のコメントは数日後載せます。
市民の会ブログ
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■【知事候補へ質問書】(2019,4,6)北海道知事選、原発廃炉金属再利用に関する公開質問⇒返答しない鈴木候補と石川候補回答内容。

2019年04月06日 23時02分28秒 | 原発廃炉金属
https://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/e1219d64d148f2171bc673cca79a2e69
木下黄太さんのブログより転載です。


現地室蘭を中心とする市民グループが、原発廃炉金属再利用に関して公開質問を北海道知事候補に投げました。
回答内容の精査以前の事として、鈴木候補は回答しませんでした。
石川候補は、画像のように回答しました。
明日の道知事選投票の参考になると思います。

僕個人としては政治家としてどちらの候補もよいと思っていませんし、北海道知事選の選択肢のなさに仰け反る思いしかありません。
しかし、こうした公開質問に返答する政治家と、返答しない政治家とでは、その資質に差があることだけは、明白と思います。

返答しないようなスタンスは、政治家としてはそもそも論外と思います。
また、回答があったとはいえ、石川候補の内容も不十分だと感じています。
なお、この論評は公開質問をされた市民グループとはなんの関係もありません。内容を読んだ僕の見解ですから、両陣営関係者でなにか言いたい方は、僕まで連絡してください。

ーーーーーーここまで

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■【室蘭・廃炉金属】(2018,11)「原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会」について

2019年02月26日 15時52分21秒 | 原発廃炉金属
■「廃炉金属の再利用を監視する市民の会」とは?
会のブログ
https://hairokinzokuwatchers.blogspot.com/
2018年11月 《原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会》を発足しました。(通称:廃炉金属ウォッチャーズ)
2018年3月、日本製鋼所・神戸製鋼所・電気事業連合会による、「原子力発電所等金属廃棄物利用技術開発」事業報告会において、日本製鋼所(以下、日鋼)は、
「 今後、原発廃炉金属(クリアランス金属と称しています)の再利用を進め、それに伴う情報提供等は、通常の金属スクラップと同様にする。」と、結論付けました。これは、
「今後、原発廃炉金属の加工事業を進め、それについての放射線計測や情報提供は一切しません。」
ということに他なりません。
 福島第一原発の事故を受け、また、脱原発の世界の流れからも、今後、東海原発に次いで、廃炉になる原発は増えて行きます。すでに、女川原発も廃炉決定、また、高速増殖炉もんじゅの廃炉金属が室蘭に運ばれる可能性もあります。福島第一原発からの廃炉金属が室蘭に来るという事もあり得ることです。
(原子力規制庁は、本年10月11日にクリアランス制度の基準を見直すため、電気事業各社との意見交換会を開催しています。スピーディに廃炉を進める為に、従来の基準を緩めようという思惑が見て取れます。)
そして、これらの事が、地域住民には何も知らされないまま、進行する事になりかねません。

 日鋼の事業報告会の資料は、放射性物質及び周辺放射線量の測定値数値に心配な部分が多く、この事業がこのまま住民への納得のいく説明、周知がなく、国や企業の好きなように推進されるならば、市民の安全・安心が損なわれる可能性が大です。よって、私達は「情報の公開」と「事業の安全性」「透明性」を求めるために「原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会」(通称:廃炉金属ウォッチャーズ)を立ち上げました。
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