そして、また歩いているとおなかがすいてきた。

よさそうな小さな店は12時オープンと言われたので、別の店を見つけた。
お店の人もいかにもアルザス人である。
シュークルートに合うワインをエスカレーターは尋ねている。
答えたものを「じゃあ、それで」と言わないのは経験済みである。ああでもない、こうでもないと言って、結局1番のおすすめではないものを頼んでいた。
シュークルートを食べるのは3度目だが、今回のが一番おいしく感じた。慣れてきてるせいもあるのかもしれない。
エスカレーターが席を外した時に、精算しておいた。
しかし戻ってきたエスカレータ―は、「デザートを食べよう」と、再注文をすることになった。

この時、隣では一人の男性が食事をしていた。
エスカレーターはその人に「どこから来たの」と聞いた。顔を見ればアルザスという感じだったが、彼は聞いていた。
「アルザスに住んでいるんだよ」
エ:「アルザス人か?」
「そうだよ。あなたは?」
エ:「私たちはブルゴーニュから来た。ところで、アルザスというのはフランスではないという人もいるね。コルシカ島と同じで」
と、初対面の人に言ったのだ。
わたしはびっくりした。その人が気を悪くするのではないかと。
でも明らかに「年寄りの言うことだから」という表情で、その人もあまり気にするふうでもなくニヤニヤ笑っている。
私はジョークを広げる意味で「あっ、あと、ブルトン人とバスク人もでしょ」と笑って言った。
さて、ここまではよかった。おいしく食事をしてまた歩く元気が出てきた。
しかし、それから大変なことが続くのだった。
彼は私が3度めのコルマールであることも承知である。2007年に、アルザス3人組(ヴォージュという山に住んでいるが、ムッシュは、コルマール生まれ)、そして2012年はストラスブール近くに住む夫妻がエギスハイムとコルマールを案内してくれた。2組とも生粋のアルザシアンであった。
エスカレーターのおじさんは、生粋のブルギニオンであるから、その辺りは
私も多くは期待してはいけないところではあった。彼らもまた、旅行者として、クリスマスマーケットを楽しみたいのだった。