やっぱ(めーで)にしといておくり。この年になっても、ちーと気取ってしまってさね。
田んぼに水がへえった。そいで同時に蛙の大合唱!夕暮れからやかましいこと。おらも蛙じゃあねえが「うーのはなー…」
と、つい嬉しくなって口ずさんじまうだじ。ほれなんつったか?そうだ百姓のDNAつうやつが強いらしくほっとするだいね。
代掻きの始まりだ。
代掻きっつーとおらの生まれた家じゃあ、おとっ様が牛んぼうを飼っていてさね、その牛んぼうに代掻きをやらせるだが、
なんつったか、ガラガラ回る道具のうえに人一人乗れるだけの板が載せてあって、それにおとっ様が座って水田の中をジャバジャバ回るだじ。
ちいせえ時、そのおとっ様の横に乗りたくて乗りたくて・・。牛んぼがぴしゃぴしゃ泥をはねて、それをまともにくらうで
泥だらけせ、おまけにしっこだうんこだしながら、尻尾でぴしゃぴしゃってやるもんだで、えれさわぎさね。
それがついこねえだだと思ったに、(戦後間もないころ)えれこんせ、今じゃああっという間に機械がやっちまうだで。
それでもやっぱり田んぼに苗が植わると嬉しいねー。(さなえーうえーわたるー なつーはくーるー)
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