自然農あさゆふ通信

谷沿いの小さな集落に移り住んで14年。
山と川に囲まれた田畑や自給生活の様子など、自然農のある暮らしを綴ります。

田畑で自分も育つということ🥒

2021年09月24日 | 自然農のある暮らし

農のある暮らしから得られるものは、

安全で美味しい食材だけではない。

それ以上に大切なことがある。

 

自然のなかに身を置いて、

作物や、草花、生き物と向き合うなかで、

自分自身が育てられること。

 

野菜の種も、お米の種も、本当に小さいけれど、

そのひとつひとつが、いのちを宿している。

いのちある作物を健やかに育てられるかどうかは、

私の手の貸し方にかかっている。

 

作物が生きるために必要な、

水、養分、太陽、空気、空間、温度…、

そして、時期を見極める。

天候や、草や虫との関係にも応じられるよう、

見守りながら、察知力や智慧を働かせる。

 

必要なことをして、余計なことはしないように。

失敗を繰り返しながら、自分も逞しく育っていく。

 

 

鎌や鍬、スコップなどの道具を使うのは、私の身体。

私もまた、この肉体にいのちを宿している。

いのちを大切にする身体の使い方も、本当に大切だと思う。

 

生きていくためにお金は必要だけれど、

価値の中心には、お金ではなく、いのちを据える。

いのちが観えたら、心は安らいで、今を大切にできる。

 

 

私たち人間は社会においても、

逞しく生き抜いていかなければならない。

社会では常に、他者と関係している。

自分の根っこがしっかりしていれば、

社会の中でも一人でしっかり立っていられる。

 

人に依存したり、簡単に左右されない。

人を自分のほうに引っ張ったりもしない。

確かな足取りで、自分の道を切り開いていける。

 

自然のなかで育むことができるのは、

そんな太い根っこのようなもの。

 

▼田畑で自分も育つということ🥒