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ACP(アドバンス・ケア・プランニング)についての講演を聞き、人生の最終段階における意思決定の重要性を改めて考えさせられた。
講師のお二人は、普段から人の死に向き合う職業の方であり、死という避けがたいテーマを扱いながらも、ユーモアを交えて分かりやすくお話しくださった。
特に印象に残ったのは、本人が延命治療を希望していなくても家族がその意向を覆してしまうケースが多いという点だ。実際、75%のACPが家族によって変更されるというデータもあり、家族の心理的負担が大きいことが分かる。
また、老衰で亡くなった後に救急車を呼ぶと、本人の意思とは関係なく蘇生措置が行われ、肋骨が折れるほどの負担を伴うことがあるという話も衝撃的だった。
一方、がんの場合は進行が比較的予測しやすく、ACPを実践しやすいという点も納得できた。
ACPを実効性のあるものにするためには、単に本人が意思を示すだけでなく、家族や医療チームと共有し、具体的な行動につなげることが大切だと感じた。
今後、公民館の活動としてACPに関する啓発を進めることも考えられ、地域の高齢者や家族がACPについて学ぶ機会を増やすことが求められると感じた。
「ACPって何?」という人のために説明を書いておきます。
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは
ACP(Advance Care Planning)は、将来の医療やケアについて、本人が事前に考え、家族や医療者と話し合い、希望を共有するプロセスです。
日本では「人生会議」とも呼ばれています。病気の進行や緊急時に備え、延命治療の有無や最期を迎えたい場所(自宅・病院・ホスピス)を決めておくことで、本人の意思が尊重されやすくなります。
ACPの実施には、まず本人が希望を整理し、家族や医療チームと話し合い、定期的に見直すことが重要です。さらに、事前指示書やDNAR(蘇生拒否指示)を文書化することで、医療者が適切に対応しやすくなります。
ACPは、本人が望む最期を迎えるためだけでなく、家族や医療者の心理的負担を軽減する役割も果たします。特に高齢化が進む日本では、ACPの普及が求められており、公民館や地域での啓発活動も重要になります。ACPを実施することで、本人が納得した医療を受け、家族も安心して決断できる環境を整えることができます。