「ルドルフ」という猫がいました。 通称「ルド」
一緒にいられたのは、たった、2年と少しでした。
でもいちばん思い出深い、印象に残る猫でした。
我が家では飼っている猫はこれまでなぜかメス猫ばりでしたが、
この子はオスで、しかもシッポが長い、ルビー色の透き通った目をした、しなやかな黒い毛並の 美しい猫でした。
この猫との出会いは突然でした。
小学生の娘が 学校の先生のお宅で生まれた猫を、何の相談もなく内緒でもらってきてしまったのです。
「捨て猫が近所にいたから、拾ってきた」と。
娘の膝の上にはちょこんとちっちゃなクロネコ。
捨て猫にしてはキレイすぎる…と私は思いました。
我が家では、家族で旅行するのが趣味だったので猫を飼える環境ではなかったのです。
「戻してきなさい!」 案の定私に反対されると、今度は娘は 自分には甘~~い父親(夫)に泣きつきました。
なかなかしたたかです。
夫は猫を飼ったことがなく、特別好きでもありませんでしたが、娘の涙の懇願を、
なんと…あっさり受け入れました。
結局、「拾ったこともウソ!」ということもバレ、今更返せないこともあり…。
突然、我が家の家族になりました。