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大人になってから、猫をはじめて飼った人にありがちなこと…。
不本意にも猫の魅力にハマり、ほとんど彼らの下僕のようになってしまうこと。
私の夫がまさにそれだった。
子供のころから、猫と生活していると、猫との関係は「遊び相手」「おさななじみ」「けんか相手」「弟、妹?」だったりする。 そのせいか、そういう人を見ると、ついどこか冷ややかな目で見てしまう。
夫は釣りが趣味だった。
旅先で、アジやら、サヨリやら、サバ、海タナゴ、スズキなど釣ってきた。
はじめのうちは、家族も大喜びだった。釣りたての魚はほんとうにおいしい。
しかし、さすがに毎日となると、うんざりしてくる。
アジなんて、一晩に50匹も釣ってくる。 とても食べきれない。
「え~ またアジ~?」
それを、本当にうれしそうに食べてくれるのは「ルド」だけということになる。
自分が苦労して釣った魚を、おいしそうに食べてくれると確かにうれしい。
そのうち、ていねいに魚をさばき、小骨まで毛抜きで取って、包丁でたたいて、猫様にごちそうしていた。
平日は、釣りはできないから、仕事の帰りに、必ず魚屋に寄り、「アジのたたき」をかってくる。
もちろん、人間用ではなく「ルド」様のためだ。
夜遅く、猫と二人で、晩酌するのが習慣になった。