合コン真っ最中(さいちゅう)の三人娘。化粧直(けしょうなお)しで席(せき)を外して作戦会議(さくせんかいぎ)を開いていた。
「ねえ、今日のあの三人ってどういう関係(かんけい)なの? 全然(ぜんぜん)違うのが一人混(ま)じってるじゃない」
「えっと…、何かね、小学校の同級生(どうきゅうせい)だって聞いたけど…」
「何それ。それにしたってダサくない? イケメンってわけでもないし、声が小さすぎでなに言ってるのか全然(ぜんぜん)わかんない。貴子(たかこ)、どうしてあんなのがいるわけ?」
「そんなこと言ったって、私はちゃんと伝(つた)えたわよ。独身(どくしん)で生活力(せいかつりょく)があって…」
「あなたの従兄(いとこ)ってお金持ちなんでしょ。何で同級生を集めるかな?」
さっきからずっと黙(だま)っていたもう一人が言った。「これってフェイクじゃねえ? わざとダサく見せといて実(じつ)は超(ちょう)お金持ちだったりして」
「ないない、そんなことあるわけ無(な)いでしょ。あのセンスのなさは生まれつきよ、絶対(ぜったい)」
「分かんないわよ。金目当(めあ)てに寄(よ)って来る女を警戒(けいかい)しているのかも」
「…なに? あたしは違(ちが)うわよ。あたしは純粋(じゅんすい)に愛を求めてるの。お金は…、その愛を長続きさせるために必要(ひつよう)なものにすぎないわ」
「あの…、そろそろ戻(もど)らないと。みんな、待ってるんじゃ…」
「そうね。じゃあ、かぶらないように決めちゃいましょ。貴子は、幹事(かんじ)なんだから最後(さいご)ね」
「えっ、私があの人の相手(あいて)をするの? そんなの、ムリよ」
<つぶやき>人は見た目では分からないもの。とは言うけど、やっぱり気になりますよね。
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