僕(ぼく)には彼女がいる。といっても、妄想(もうそう)の中での話しなのだが…。しかし、僕の妄想はとてもリアルだ。リアルすぎて実際(じっさい)に目の前にいる感じすらある。
僕の妄想彼女はいつも同じ娘(こ)なんだけど、とっても可愛(かわい)い顔をしている。僕好(ごの)みと言ってもいい。でも、性格(せいかく)はそのたびに違(ちが)っている。ある時は、おとなしくて控(ひか)え目な感じ。またある時は、まるで男みたいに高飛車(たかびしゃ)で…。まぁ、僕はどちらも嫌(きら)いじゃない。
そんな妄想を楽しんでいる僕の前に、とんでもない娘(こ)が現れた。その娘は、僕の妄想彼女とそっくりなのだ。まるで双子(ふたご)のように…。僕は混乱(こんらん)した。妄想と現実(げんじつ)がごっちゃになって、もうどっちがどっちなのか分かんなくなってしまった。そして、ついにやらかした。
ここで言っておくが、妄想の彼女は基本的(きほんてき)に僕のことが好(す)きだという前提(ぜんてい)がある。まぁ、当たり前のことなのだが…。でも、現実の彼女は僕のことなんか好きでも何でもない。まして、彼女が何を考えているのかブラックボックス状態(じょうたい)なのだ。
僕は、いつも細心(さいしん)の注意(ちゅうい)を払(はら)っていた。でも、不覚(ふかく)にも僕は間違(まちが)いを犯(おか)してしまった。仕事(しごと)が忙(いそが)しくて寝不足(ねぶそく)だったということもあるのだが…。僕は、現実の彼女を妄想彼女と思い込んでしまったのだ。そして、癒(い)やしを求(もと)めて、現実の彼女を抱(だ)きしめてしまったのだ。僕は、現実の彼女に力一杯(ちからいっぱい)ひっぱたかれてしまった。
僕は思った。これって、性格も妄想彼女とそっくりなのか…。だとしたら、脈(みゃく)ありかも?
<つぶやき>そんなわけないと思いますよ。ちゃんと謝(あやま)って、友だちから始(はじ)めてみましょ。
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