みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1478「動け!」

2024-11-14 16:40:54 | ブログ短編

 彼女は待(ま)っていた。その時(とき)が来るのを…。彼女には分かっている。彼が、自分(じぶん)に好意(こうい)を持(も)っていることを…。これには、確信(かくしん)があった。
 彼女は、彼が告白(こくはく)しやすいように画策(かくさく)する。二人だけになれる機会(きかい)を増(ふ)やし、そして彼女からも話しかけて告白しやすい雰囲気作(ふんいきづく)りにつとめた。
 しかし、それでもだ…。機会(きかい)はいくらでもあったはずなのに、彼は告白に踏(ふ)み切(き)らない。なぜだ! 彼女は思い悩(なや)んだ。まさか、私の勘違(かんちが)いだったのか?
 彼女は即座(そくざ)に否定(ひてい)した。彼女の確信はこんなことでは揺(ゆ)らがない。
 そうよ。彼は、私に惹(ひ)かれている。それなのに…。きっと何かあるはずよ。告白を妨(さまた)げていることが…。まさか、他(ほか)に狙(ねら)っている女がいるのか? いや、それはないはずよ。彼の女性関係(じょせいかんけい)は調(しら)べがついている。特定(とくてい)の女性と付(つ)き合っている形跡(けいせき)はなかった。
 こうなったら、こっちから告白して――。
 しかし、彼女にはそんな勇気(ゆうき)はなかった。こっちから告白するなんて…そんな恥(は)ずかしいこと…。彼女は見た目(め)よりも小心者(しょうしんもの)なのかもしれない。でも、そんなこと言ってられなくなってきた。昨日(きのう)のことだ。彼の前に可愛(かわ)いらしい女が現(あらわ)れた。どこから湧(わ)いて出たのか知(し)らないが、やけになれなれしく彼と会話(かいわ)を交(か)わしていた。
 彼女に、もはや猶予(ゆうよ)はなかった。いま決断(けつだん)しなければ、彼はどんどん離(はな)れて行ってしまう。ただの友(とも)だちで終(お)わってしまうのだ。ここは行動(こうどう)あるのみだ!
<つぶやき>その自信(じしん)はどこからくるのでしょうか? ここは素直(すなお)な気持(きも)ちを伝(つた)えましょ。
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