2019年7月号掲載
水瓶のローズマリーに根の生えて見えないところで息をしていた
天気雨またと見上げる浪人の子の還りきて母子の家となる
薔薇蜂の1㎜幼虫葉を食みて食みきれなくて透かしをえがく
子の髪を梳きし日のこと思い出す一枚いちまい薔薇の葉撫でて
吊り革の下の頭を二度見して揺れに乗じて死角へ移る
虹だった夕映え消える曇りぞら川に向かった坂道の上
以上6首
水瓶のローズマリーに根の生えて見えないところで息をしていた
天気雨またと見上げる浪人の子の還りきて母子の家となる
薔薇蜂の1㎜幼虫葉を食みて食みきれなくて透かしをえがく
子の髪を梳きし日のこと思い出す一枚いちまい薔薇の葉撫でて
吊り革の下の頭を二度見して揺れに乗じて死角へ移る
虹だった夕映え消える曇りぞら川に向かった坂道の上
以上6首