みなまのブログ

短歌、日常、思いつきなど
塔短歌会所属

塔8月号掲載

2019-12-27 22:47:48 | 短歌
2019年8月号掲載

朝の陽のまず射し照らす場所なのだ最初の蕾ほどけてくるは
尾の欠けた蝶はばたいて薄紅のリラの十字花散らしてゆきぬ
花頸で切るしかなくて匂い薔薇ウエッジウッドのカップに活ける
ひとつずつ薔薇浮かばせた紅茶碗お皿に銀のスプーン添えて
朝はまず水かえてゆく猫のため庭から切ってきた薔薇のため
もう坂を下りゆくらし朝の道 吾子の姿の足より消える
絵空事みたいな元号始まってパートの採用通知が届く

以上7首、鍵外。