みなまのブログ

短歌、日常、思いつきなど
塔短歌会所属

塔 2022年1月号掲載

2022-01-20 00:24:11 | 短歌
肩にのる髪の重みのあたたかさ気づく九月の半ば過ぎごろ

抱かれたら抱かれたままに目を閉じる用事というものがないのだ猫は

取り調べみたいにライト当てながらカイガラムシをブラシで刮(こそ)ぐ

二十余年たのみし縁を切るとする朝(あした)は神無月のはじまり

草の穂を鴨らしごける川原に風吹き渡る十月朔日

水色のフィアット500を下取りに出すはつかなる夫の名残と

不覚にも聖子の声に涙する青いクルマを手放した日は


山下泉さんの選でした
選歌後記に一首目をとりあげていただきました
嬉しい
ありがとうございました