掛かり付けのクリニックの院長は同級生だ。
例の逆流性食道炎の面倒は、ここで診て貰っている。
内視鏡検査も無論、ここで全て出来る。
胃カメラはいい。
でも、大腸となるとね。
「すまんが、同級生に診て貰うのはちょっとな。別の病院、紹介して。」(私)
随分不躾ではあるが、嫌なものは嫌なのだ。
てなことで、某病院に来た。
ただし、今回は予約だけである。
紹介状を見て、医師がクスっと笑った。
「なんか変な事、書かれてますか?」(私)
「あ、いえいえ。」(医師)
そりゃそうだろう。
同じ胃腸科からの紹介状って、普通変だろう。
「あ、いや。〇〇は同級生なんで。どうも同級生に診せるのは・・・」
「分かってます。私も、この病院では検査しませんから。」
私の掛かり付けである同級生のクリニックで、わざわざ診て貰ってるとの事。
医者だって、恥ずかしいものは、恥ずかしいらしい。
検査の日時は22日に決まった。
「場合によっては、一泊二泊の入院もあり得ます。」(医師)
だそうだ。
「どうも有難うございました。」(私)
診察室を出た。
待合室の椅子に腰かけ、
この検査って、
プライドや羞恥心、その他諸々、自分の全人格を一旦どこかに置いて望むしかないよな。
だって、あんなところに、あんなものを、あんな風に・・・
激しく後悔した。
「江島様ーーー。」
受付で支払いを済ませ、悄然と病院を後にする私だった。
あ、でも
受付嬢は皆粒揃いで、なかなか良かっ・・・
だめだ
そんな事じゃ、とてもこの気分は直せない。