Tシャツとサンダルの候

筑後川河川敷を行く

今年の夏は、7月の猛暑の日に、一度だけ自転車を漕いだ。

あの日、あまりの強烈な日差しに悲鳴を上げ、それ以来、自転車には乗っていない。

あの時の私に、塩でも振りかけようものなら、ナメクジのように溶けてしまったに違いない。

 

 

9月の声を聞き、朝夕はめっきりと過ごしやすくなった。

それに加え、昨日は薄曇り。ジリジリと身を焼かれる心配もない。

こんな日に自転車に乗らなくて、いつ乗るのだ!

と、

唐突に、前向きになる私であった。 

筑後川河川敷のサイクルロードを行く。

久留米百年公園を起点に吉井町まで、全長27km程のコースである。

もっとも、自転車に乗るのは1ヶ月ぶりだ。

鈍った体が、もっと端的に言うなら、股間がどれだけ持つか心配である。

今回は言わば、リハビリサイクリングなのだ。

様子を見ながらのサイクリングとなる。

背丈ほどもある葦の穂の間を漕いで行く。

 

道路には、距離を示すプレートが埋め込まれている。

 

新神代橋

 

大きく蛇行する筑後川。

全く持って快調である。 

時折ジョギングの人と出会うものの、サイクルロードをほぼ独り占めである。

 

その代わり、アカネトンボや何バッタか分からないが、目の前をブンブンと飛び交っている。

時折、風を切って走る私の顔や体にぶつかって来て、慌てさせる。  

河川敷にも、秋の気配は近づいて来ていた。

 

片の瀬温泉まできた。

そろそろ田主丸だ。 

サイクルロード出発点から17km来たようだ。

という事は自宅からは20kmを越えた事になる。

心配になり、そっと股間に具合を訊いてみた。

 

『まだ行けそうだ』

 

よく言った!

それでこそ我が股間だ。

 

・・・還暦過ぎて、

自分の股間と会話するオヤジなど、日本に5人もいないに違いない。

筑後川を管理する国交省の草刈り機。

草深い藪に突っ込んで行き、一心に草を刈っている。

が、

人が乗っていない。

なんとリモコンである。

リモコンの草刈り機に、担当者が二人。

省力化になっているのかどうか。

朝羽大橋が見えてきた。

終点まであと少しだが、午後から用事もあるし、そろそろここらで引き返したほうがよさそうだ。

第一、股間もそうだが、肩が痛くて堪らなくなってきた。 

ところが、自転車を久留米方向に向けた途端、一天俄かに掻き曇り・・・とまではいかないが、

強風が吹き出した。

しかも向かい風である。

漕いでも漕いでも、前に進まないのだ。

 

ヒィーーーー!!

わざとか?

わざとだろ、クソッタレ!

 

天に向かい、悪態をつく。 

悪態をついた事で、さらに怒らせたらしく、雨まで降ってきた。

たちまちの内に、あちこちに水溜まりが出来、帰り着くころは、自転車も体も泥だらけである。

 

 

 

「ふえ~~、酷い目に遭ったぜ。」(私)

「こら!!泥だらけで上がってくるな!外で服を脱いで上がってこい!」(家内)

 

 

・・・それやったら、犯罪だから。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

最新の画像もっと見る

最近の「散歩、チャリ、その他」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事